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    西部の雄。 

    のち 明日は曇りの予報だ。


     緑の人工芝の上にゾロゾロ。おそらく80人位はいる。色とりどりのユニホームを、それぞれが自由に着てサッカーに真剣に取り組んでいる。時折、「ピーッ!」と甲高い笛の音が鳴り、「交代っ!」の叫び声が響くとササーッとプレーヤー達が入れ替わる。見た目の統率は全く取れていないが。意思の統一はできている。多分、高校生だろう。いいチームだ。いや、適切な表現じゃないな。

     きっと。良い学校の生徒だ。

     息子をH市Rグラウンドに送って行った。集合は18時半。本来、KSCは金曜日の練習はない。が、明日はクラブユース選手権県予選決勝。それに備えての調整練習が人工芝のRグラウンドで行われたのだ。普段、ウチは息子を車で送らない。んなもん、遠くても自分で電車で行けっ! が基本。Rグラウンドの場合、一度、ターミナル駅に出てK市経由でH市、そこから電車組乗り合わせでタクシーとなる。ただ、今日はたまたま僕が早く帰れたので、「たまには練習を見てみようか? 何か小学生の練習に使えるものがあるかも」と思っただけのこと。

     着いて、目にしたのが冒頭の光景だ。

     先に来ていた他の保護者に「どこのチームですか?」と聞くと「M高校のサッカー部ですよ」との返事。ふ~ん。M高かぁ。僕は出身が群馬で、今、住んでいるのは県南地区だから馴染みは薄いが。聞いたことはある。確か旧制中学から続く、歴史ある男子校だ。

     どうでもいい話に飛ぶけれど。我が県、群馬、栃木、福島の主要都市に昔からあった進学校(今や受験校だけど)は男子校・女子高に分かれていた。「男女七才にして席同じくせず」の考えに従ってかどうか? は知らない(笑)。ただ、この男女別進学(受験)校制度を未だに保っているのは我が県だけだ。他の県は、少子化の影響と性差別撤廃の流れでビシバシ撤廃されている。ちなみに我が母校も今や共学校だ。

     実にくだらないっ! 我が県だけはツマラン風潮に負けないでほしいっ!

     おっと。話を戻す。そうそう、Mコウ・サッカー部の話だ。もう、KSCのアップ、そっちのけでMコウ・サッカー部の練習に見入った。みな、上手だ。スピードに溢れ、キチンとドリブルとショートパスで繋いでいく。チームのコンセプトが明確だ。よく見ると、カラフルな多国籍ユニホームの横、B面でボールを蹴る中に20人位の「真っ白クン」達が存在する。一年生だろう。白いシャツにはマジックで名前が書いてある。微笑ましい。

     「ふ~ん。公立でもレベル高いじゃん、Mコウ・サッカー部っ!」

     と、僕が言うと先程の保護者が教えてくれた。「確か、毎年、県でBEST8には入るはずですよ、Mコウは」。なるほど。実際の試合で、どんな試合をするのは知らないけれど。頑張っている、公立もあるんだな…。どうしても、私立ばかりに目が向くけれど。公立の試合もシッカリ見に行け! と息子に言っておこう。

     19時半。Mコウの練習が終わり、KSCの練習が始まる。Mコウはグラウンドの外に出て、顧問の先生の話を全員で聞いている。「週末の予定は…」。顧問の声が響く。終了すると、顧問が真っ先に帰る。部員全員が大きな声で「さ~っす(サヨナラっす)」。顧問は笑顔で生徒に頷く。そして、ちょい離れたところに立っている僕らに気付き、大きな声で「お先に失礼しますっ!」。

     気持ちいい挨拶。Mコウ、いいじゃん!

     もちろん僕も。大きな声で「お疲れ様でした~っ!」。そのうち、まず3年生がチャリンコに乗る。「下級生全員が「さ~っす!」。意気揚々と帰る3年生…と思いきや。僕らの方に向かい、アタマを下げて「さ~っす」。次に2年生が続く。「さ~っす」。最後にボールや道具などの大荷物を小脇に抱えた1年生が「さ~っす」。

     気持ちいい。Mコウ、頑張れっ!

     思わず、最後尾の1年生に聞く。「家に帰るの?」。「いや、まだっす。学校に帰って。道具を置いて。着替えて帰ります」とのこと。学校までチャリで30分くらいかかるらしい。「たいへんだなぁ」と言うと。

     「1年っすから。サッカー好きっすから」。

     照れた笑顔が爽やかだった。名字が大きく書いてある白いTシャツが眩しかった。このブログを書くにあたり、偏差値や学校概要を調べようと思ったが止めた。そんなくだらない物差しで、この子達を計っちゃいけない。強くても弱くても。成績が良くても悪くても。どんな学園生活を送っているかも知らないが。そんなこと関係なく、マジに頑張っているサッカー高校生ならば、僕は平等に応援したいっ!

     それにしても。戻りたいなぁ。あの頃に(苦笑)。


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