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    ♪チャララ~っ! ハナからギュウニュウ~っ!♪ 

    のち 夜は冷たい雨。


     いつもより30分遅い電車で仕事に行くことにした。熱いコーヒーを、もう一杯どうしても飲みたかったからだ。こんな朝は、夫婦で子どものことを話すのがウチのスタンダードではある。ただし、内容がいつも唐突。なので、必ず美味しいはずのコーヒーを「ぶほっ!」と吹き出すことが多い。今日も、唐突に話は始まった。

     「ねぇ。4月から娘2人、『お絵かき・工作教室』をヤメさせてもいいかな?」。

     親に似ず。娘2人は図画工作が好き。ヘタな習い事をさせるくらいなら、そっちの方が楽しいだろうと、嫁が探してきて月曜に小一時間、行かせている。断っておくが、「絵画教室」なんて気取ったモノじゃない。紙粘土、折り紙、針金、クレヨン、絵の具、アルミ箔、新聞紙あたりを使っての「自由創作教室」と言った方が正解だろう。ちなみに、長女は、この他に木曜日にHIPPOPダンスを楽しんでいる。そして水曜日は「英語の先生の家」にお出掛けだ。これも実態は「英語教室」なんてシャレたものじゃない。近所に住む外国人の家でクッキーを焼いたり、UNOをしたり、かくれんぼをしているだけ。ただし、日本語交じりの英語で、だ。「なんで? 2人ともスゴく楽しそうに行ってるじゃん?」。コーヒーを啜りながら、新聞に目を向けたまま答える。

     「だって~。好きに遊ばせてあげたいんだもんっ!」

     嫁によると。4月から、学習要項が変わり、授業が激増するという。4年生になる長女は月~金・毎日6時限、2年生の次女は毎日5時限になるらしい。そうか「ゆとり教育」は失敗に終わったんだ。そして再び、「詰め込み教育」が始まるんだなぁ…。なるほど。それはタイヘンそうだ。優等生の長女はまだしも。勉強ギライの次女なんざ、アタマがショートしてしまうかもしれない(苦笑)。毎日ヘトヘトになりながら、学校に通いそうだ。

     「アタシなんかさぁ~。毎日、ランドセルを玄関に放り込んで『行ってきま~すっ!』って調子で男の子と遊んだからさ。娘2人を見ていると、カワイそうでカワイそうで、不憫になっちゃう。だから、やらせることも、なるべく遊びの要素の方が強いもの! って思ってきたんだけど…」。嫁の独白は続く。「宿題だって尋常な量じゃないのよ~。こんなに出してどうするの? って量。授業の遅れを宿題で取り返そうってことなんだろうけど。1時間も掛けないと終わらないような宿題をどう思う? 私に言わせれば、虐待よ、虐待っ!」。

      「もう、限界っ! 制限なく自由に遊ばせるわっ!」。

     ぶほっ! その剣幕にコーヒーを吹き出してしまった。僕が宿題を出しているわけじゃないんだから。そんなに力説しなくても大丈夫。お前の言っていることが〝正しい〟かどうか? は分からない(人によっては〝正しくない〟という方もいるだろう)が、僕は共感できる。

     僕らは今の小学生よりも勉強は〝詰め込まれ〟た気がする。が、放課後は実に自由だった。沼でザリガニを釣る時間もあったし、隠れ家を皆で〝造営〟する時間もあった。野球もサッカーも同じように楽しんだし、何より暗くなるまで家に帰らないのは当たり前だった。社会的・道義的に間違ったことをしたとしても「子どものイタズラ」で済ませてくれる大人側の余裕もあった。

     それが…。今や、サッカーだって〝習い事〟になってしまう時代だものなぁ…。

     好きな工作だとしても。大好きなダンスだとしても。お茶飲んでクッキー食べているだけの英会話だとしても。そして、それがサッカーだとしても。いつまでも〝習い事〟のままであるならば、さっさとやめさせた方がいい。遊ぶ時間を削ってまでやることではない。〝習い事〟から「大好きなこと」に昇格したのならば、続けさせてあげればいいと僕は思う。典型が息子のサッカーだ。今の彼の生活はサッカーと学校の往復。遊ぶ時間なんてありゃしない。あんな修行僧みたいな生活、よく耐えられるな…と正直、思う時がある。それでも彼はサッカーをやめない。彼にとって、サッカーはもう〝三度のメシ〟クラスのモノなのだろう。

     基本は伸び伸びと。子どもには遊びたいだけ、遊ばせてあげたい。

     夜。娘2人に「どうする?」と聞いた。「遊ぶ時間が減るならば、ヤメる~。遊びたいもんっ!」。至極、真っ当な答えだ。その上で、次女はバトンを、長女は、お茶クッキー英語とダンスは「続けたい~」と言う。僕は続けた。「うんうん、好きならば続ければいい。でも、苦しいからってやめちゃダメだぞ。自分が選んだ道だから、それはそれで頑張らなくちゃイケない。でも、本当にイヤっ! と思ってしまうことがあるならば、ヤメたいって、ちゃんと言うんだよ~」。「は~いっ!」と言って、次女が続ける。

     「パパ~っ! ワタシは明日から宿題をヤメたいで~すっ!」。

     ぶほっ! 今度はBEERを吹き出してしまった…(苦笑)。


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