2009.02.02 Mon
自律。

このブログでこんなことを書いたことがある。2006年6月9日の日記だ。『世の中で一番大事なもので、かつ一番やっかいなもの。それが「自由」だ。 ~中略~ 自由とは、単なる束縛からの解放でなく、自らの強い意志に従って行動することをいう。自由だからこそ厳しい。 自由だからこそ自分に責任がある。自由だからこそ考えねばならない。でも。だからこそ自由には無限の可能性が秘められている。だから自由は素晴らしい』。
全文読みたい人は⇒コチラをどうぞ。
昨日見たJクラブJr.ユースのサッカーのことを書きたい。HPに書いてある通り、全員が攻撃的だった。ボールを持った時の個人の仕掛け、周りの動き出し、全てがゴールを奪うためのもの。しかも、それが約束事に裏打ちされたものでなく、その場の個人のアイディアに従った行動だったりする。だから、ウマくいかないことも多いが、決まるとスペクタルなシーンが演出されることになる。もちろん、個の異常なほどにまで高いスキルがそのシーンを支えている。「そう来るかっ?」と驚嘆するシーンが何度もあった。
一言で表現しよう。JクラブJr.ユースのサッカーは自由だ。
試合前のアップからして違う。自由だ。まとまって何かをするという雰囲気はない。1人1人が思い思いに、やりたいことをやっている。長いロングボールを蹴りあっている子もいれば、フリーキックの練習をしている子もいる。キーパーでもないのにゴールマウスに入って、それを止めている子もいる。そうだなぁ、小学校低学年の子が練習前に好き勝手やっている姿を思い浮かべてほしい。その姿が、そのままこのチームに当てはまる。
実に自由。
象徴的だったのが相手ボールのCKのシーンだ。思い起こしてほしい、フツーならばどうするか…。危険と思われる相手選手から離れない、が基本のはずだ。Jでも別のチームは、これは徹底されている。でも、このJクラブは(実はヴェルディもなのだが)…。マークを離す。というよりもハナからマークをしない。必要なのは、相手をマークするのではなく、相手より早く触ること。そのために自分が思うように動けばいい。
自由だ。
選手だけではない。チーム全体がフリーダム精神に満ち溢れている。もって回った書き方をしようと思ったが、ホメているのだからそうせずにストレートに書くことにする。コーチが「勝とうっ!」としていないのだ。「勝つも負けるも、お前らの自由よ?」。そういう感じだ。結果、負けても「負けたね」。そんな感じ。多分、負けること自体はコーチもイヤなはずだ。でも、それを見せない。つまり。ひたすら待っているのだ。「自由の厳しさ」を実行しているのだ。自分達でアップを変えるのも自由。変えないのも自由。CKの守り方を変えるのも自由。変えないのも自由。まず、考えさせ、もし、聞いてきたならば、その時に初めて〝教えればいい〟。もし、聞いてこないなら、それはそれだ。
やるもやらないも。選手の自由。そういう厳しさも含めての自由。
実は小学生レベルでは、これ、ケッコウできているチームがある。が、中学生となると話は別だ。周りにサッカー以外の楽しいことが現れ始めると、なかなか自分を律しきれなくなる。もしくは、自分では律しているつもりでも、知らず知らずのうちに周囲に流されてしまうということもある。これが高校生になると、責任感がしっかりしてくるので、またできるようになるのだが、中学生は別だ。なのにレッズはできている。
さすが我が県のJクラブJr.ユースだ。
まぁ、それだけの素養を持った子が選抜されているということも確かにある。「県民の誇り」がJr.ユースといえどもフラフラしているわけには行かないだろう。いや、そんな「外から見てどうだ!」ということではなく、「自身のこと」として、自分を律することがプロへ第1条件ということがわかっているのだろう。どんなに個人の技術が高くても、アイディアが豊かでも。真の自由を理解できていなければ、きっとTOPはプロ契約を結ばない気がする。
オイっ! 息子。たった1回、勝ったからって浮かれるな。
Jクラブがお手本。自分を律してみろ。自分に厳しく闘えよ。
と。ここでオチを作って、終わるはずだったのだが。ふざけてオチなんか駆けない状況になった。全く自分を律せない、自由に溺れきっている息子が学校で問題を起したのだ。先程、ボコボコにして叱ったが。明日、担任・生活指導・学年主任という豪華な顔ぶれの先生方との面談に僕が出掛けることになった。ったく。おバカなお前にマジメな一言を贈ろう。
自由は山嶺の空気に似ている。どちらも弱い者には耐えることはできない。
【芥川龍之介】
- [2009/02/02 23:47]
- ジュニアユース 中学サッカー |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
トラックバック
この記事のトラックバックURL
https://halusaka.jp/tb.php/611-2e01e8bf
- | HOME |