2009.02.01 Sun
遅れた返事。

どっこいしょ。言葉は発しなかったが、そんな感じで、その人は座った。ガランとしたスタンドの僕達が座っている椅子の、もう1段上の席。そこからグラウンドを眺める。毛糸の帽子に反射式のスポーツサングラス。そして某代表レプリカのウォーマー。この出で立ちを読んだだけで、知っている人は誰か分かるだろう。そして話し掛けてきた。
「こういうのいいと思わないか?」。
目の前では、サッカーの試合が行なわれていた。KSC同士。進路の決まった3年生と、先程までのゲームでは応援に回っていた2年生の試合だ。肩の荷が降りて実にノビノビとサッカーを楽しむ3年生。プレー自体に余裕が生まれ、笑顔さえ見える。かたや、2年生。必死の形相。「次の先発はオレだっ!」。そんな思いが伝わってくる。
座った人の話は続く。「3年生は。どこに進むことが決まっていようが、卒業というリセットを迎えるまではKSCの選手だ。だから、それまで一緒に同じモチベーションで、こうやってサッカーが楽しめる。Jクラブ戦に出られなかった2年生にも意味がある。試合には出られなかったが、自分達より格上の強いチーム(3年生)が相手をしてくれる。競争はあるけれども、放ってはいない」。そして、もう一度、言った。
「こういうのいいと思わないか?」。
今日の、このブログ。Jクラブ戦に勝っても負けても、書こうと決めていたことがある。「いいじゃん! KSC・U14」ということ。僕は他のチームのことは知らないから、決して〝比べて〟ではない。単純に、目の前の、ここ1週間のKSC・U14のやり方を見ていて、そう感じたのだ。
例えば、昨日だ。天気は冷たい雨。一昨日のうちに、「某フットサル場での練習に変更」という連絡MAILが回ってきた。「フットサル場? 40人で?」。僕は息子に思わず聞いた。「時間分けるみたいだよ」と息子。事実、40人を半分に分け、午前・午後で2時間半づつ練習。コーチ陣は、お昼も食べずにブッ続けで子どもの練習を見続けた。寒かったことを書いた先週日曜の練習もそう。昼間組と夜組に分け、それぞれシッカリ面倒を見てくれた。保護者としてはモチロン、「ありがとうございます」。同じサッカー指導者の端くれとしても。「見習いたいと思います」。
素直にアタマが下がる。
40人以上も集めて…なんだかんだ…。そんな声が外野から聞こえては、くる。だけれども。KSC・U14のコーチ陣は、ボランティアにもかかわらず、全員をシッカリ見ようとしてくれる。「そんなの預かっている以上、当たり前だろう?」。コーチ陣は、そう言うだろう。でも。僕だったら…。「昼飯、食べたいっ!」「早く帰って、飲みたいっ!」。
確実に、そっちの気持ちに負ける(苦笑)。
試合は、2年生同士の紅白戦に切り替わっていた。組み分けはバラバラだ。ベンチに入っていた・入っていないは関係ない。ポジションも固定のものではない。息子も出ている。なんとFWだ(笑)。そうか。なるほど。これは、コーチ陣からの言葉なきメッセージだ。
「勝った? 終わったこと。次の準決勝? ゼロからっ!勝ち取れっ!」。
子ども達に、その気持ちは伝わっている。伝わっているから、試合は白熱する。さっきのJクラブ戦の比ではない。負けるかっ! そんな気持ちの入ったプレーのオンパレードだ。1つ1つのプレーは語る。「まだ準々決勝を突破しただけにすぎない。終わったわけじゃない」。いや、違うなぁ。コイツラ全員、もっと単純にギラギラしてサッカーをしている。言うなればこんな感じだ。「大会? 考えていない。その前に目の前のコイツに勝つっ!」。
一段上に座った方へ。遅れましたが、お答えします。
「はい。こういうのいいと思います」。
終了は17時だった。家に帰って18時。食事をして、風呂に入って20時。「疲れた。もう、寝るね」と息子。Jクラブに勝ったからといっても何が変わるわけじゃない。負けたとしても同じ時間に同じく「疲れた。もう寝るね」と言っただろう。わかった。おやすみ。泥のように眠れ。あっ! 一言だけ言わせてくれ。「よかったな」。勝ったから言うんじゃない。
いいチームにいるから、だ。
- [2009/02/01 23:41]
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