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    約束の地。 

     風が強かった。ネギも買った。


     ここだ。間違いなく、この場所だ。前回は春だった。今年、08年3月23日だったはずだ。敷地内には何十本もの満開の桜。桜吹雪の舞い散る中を、君達は走り回った。でも、負けた。負け続けた。負けた後に話したはずだ。「ここには、真面目な気持ちで全国を目指すチームが集まってくる」と。そして、問い掛けたはずだ。「君たちは、どうする?」。敢えて、その時の君達の返事は書かないでおこう。僕は、覚えているけれども。

     場所は、ここだ。間違いなく、この場所だ。

     前回は完膚なき負けを経験させるために。ここにやって来た。集う少年達の熱き心と正確な技術を見せたくて、ここに来た。本当だ。「勝とう!」とは言った。が、「勝てる!」とは最初から微塵も思っていなかった。君達の甘さ、ぬるさ、足りなさを痛感させるためにお願いした練習試合だ。負けなきゃ意味がない。そして、負けた。

     場所は、ここだ。間違いなく、この場所だ。

     今回も完膚なき負けを経験させたくて。ここにやって来た。集う少年の燃える闘志と成長した技術を見せたくて、ここに来た。本当だ。今回も「勝とう!」とは言った。が、「勝てる!」とは最初から微塵も思っていなかった。前回よりも、思っていなかった。今回も、君達の根拠のない自信、鼻っ柱、思い上がりを打ち砕くためにお願いした練習試合だ。負けなきゃ意味がない。そして、負けた。

     場所は、ここだ。間違いなく、この場所だ。

     今回、僕は。我がチーム石14期生(5年)の全試合で主審をやった。グラウンドの中で、どんなことが起きているのか? グラウンドの中でどんな会話がなされているのか? グラウンドの中でどんな闘志が燃え盛っているのか? グラウンドの中で君達は何を考えているのか? 完敗、完敗、完敗、完敗の全4試合の中身全てをこの目で見た。

     場所は、ここだ。間違いなく、この場所だ。

     今回、君達は。我がチーム14期生(5年)の全試合に出場した諸君は。グラウンドの中で感じてくれただろうか? グラウンドの中で相手がどんな会話がしているのか? グラウンドの中で相手はどんな闘志が燃やしているのか? グラウンドの中で相手は何を考えているのか? 完敗、完敗、完敗、完敗の全4試合の中身全てで、その目で見ただろうか。

     前回4月は「感じてくれればいい」と思った。今回12月は「行動に結び付けてほしい」と思う。新人戦県南大会を前に。4月からの6年生になる前に。今、何が足りないのか? 今、何をしなければならないのか? M先生が掛けてくれた「デタラメが一番ダメだよ」という言葉の意味を、しっかりと考えて動くことが必要だ。

     コーチも。子どもも。チーム全体で。

     今回も、ここだった。今回は寒風が吹きすさむ冬だ。今日、12月28日だ。桜並木には1枚の葉もない。もちろん、花びらも1枚もない。砂塵の舞う芝の上を君達は走り回った。今回も負けた。負け続けた。負けた後に話をした。「ここには、真面目な気持ちで全国を目指すチームが集まってくる」と。そして、また問い掛けた。「君たちは、どうする?」。敢えて、今日の君たちの返事も書かないでおこう。僕は決して忘れないけれど。

     場所は、ここだ。ここは約束の地だ。出発の地でもある。
     ここから、また始めよう。



     
    ※江南南の保護者の皆様。お世話になりました。ありがとうございます。
    松本先生、今回も勉強になりました。ありがとうございました。
     


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