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    安心。 

     西高東低。寒い!!


     時々、3年生のママ達からプレッシャーをいただく。「コーチ、3年生は強くなれるのでしょうか?」。内心、「コワイなぁ…」と思いながらも僕は平然と答える。「えっ? 僕は、この子達こそ、我がチーム歴代NO・1の逸材揃いの代だと思っていますよ!」。ママ達は苦笑いをしながら、手を「ありえない~」という感じで振る。そんな時、僕はマジメな顔で言い返す。

     「すいません。僕は本気でそう思っています」。

     現実を考えてみる。まずは「試合成績」の観点からだ。我がチーム他学年との相対評価をすれば、確かにダイブ見劣りする。ダイブどころではないか(苦笑)。ほとんど、勝てない。試合すれば負け。良くて引き分け。それが現実だ。「人数」から考える。少ない。13人しかいない(苦笑)。「サッカー歴」を見てみよう。幼稚園からやっている子は数人。小学生になって始めた子が大半で、3年生になってから…という子も3~4名ほどいる。まだまだ全然、習熟度が低い。「身体能力」の観点も忘れてはならない。世間レベルと比べて、極めて高い子はいない。〝並〟が大多数。〝ちょいオチ〟も少なくない。

     もし、少年サッカーの全国3年生平均レベルという数値があったとすれば。とてもとても、この子達は届いていない。これを読んでいる「我がチームの3年を多少は知っている他チームの方」は、「上記の『すいません。僕は本気で…』の発言は強気すぎない?」と思うかもしれない(苦笑)。それでも、あえて、もう一度、書こう。

     「すいません。僕は本気でそう思っています」。

     なぜならば。ウチの3年生、〝やらされている〟子が少ないのだ。ほぼ全員が〝習い事〟感覚から抜け出ていて、純粋に「サッカーが好き」という思いに満ち溢れている。言われなくても練習の準備をし、自分達だけでアップを始められる。〝早くサッカーがしたいから〟。1対1で「じゃあ、ラストね!」と言っても、また列に並ぶヤツが多い。〝自分で納得できていないから〟。ミニゲーム用のコートをスッと作る。〝長い時間、ゲームがやれるから〟。ミニゲームで負けても泣く。〝負けるのがイヤだから〟。練習終了のアイサツをしても帰らない。〝まだまだボールで遊びたいから〟。

     何よりも。試合で負けても、負けても。1点も取れない弱いチームなのに。
     「まだやりたい!」とハッキリ言える。なぜなら〝サッカーが好きだから〟。

     こういうチームは伸びる。ベースが低いから伸びシロが多いとも言えるが(笑)。それでも伸びる時はハンパなく伸びる。まだまだ、コーチの話をマジメに聞けないヤンチャ君揃いではある。だが、アタマが悪いわけでもない。自分でやらなければいけないことは分かっている。だから、コイツラ(愛すべき子ども達の意味も含めて、あえて、こう書く)が1年後、2年後に多少、勝てるようになっていなかったとしたら…。

     それは…。コーチがヘタレだからに他ならない。
     いや、今、勝てないのも、そのせいだ。

     そんなヘタレコーチ陣が率いる「子どもはサッカーが大好き!」のチームが、今日、初優勝を飾った。コーチのお陰? とんでもない。ヘタレコーチ陣はヘタレのまま。例えば僕という名のヘッポココーチ。ゴールラインを割りそうなロングボールを追い掛ける責任感あふれるCBに大声で禁句を叫んでいた。「出しとけ~っ!」。いくら決勝だからといっても。子どもの判断を奪うコーチングをするコーチは間違いなくヘタレでしかない。

     優勝おめでとう。3年生諸君。
     負け続けにメゲることなく努力を続けた君達自身の力だ。
     今日だけは、胸を張っていい。

     でも驕っちゃいけない。まだまだ実力は平均点以下なのだから。優勝は、マグレみたいなものだ。今日来ていたチームは皆、強かった。ホスト・KKチームさん。KMチームさん。KTチームさん。決勝の相手、OKチームさん。どのチームも素晴らしいチームだっただろ? そして。AAチームさんを見ただろ? 我がチームは、タマタマ引き分けただけだ。どちらが上手か? 強いか? は。闘ったキミたちが一番わかっているはず。技術的にはAAチームさんが目標だ。その上で、これから、我がチームの個性を出して行こう。明日から、また新しいチャレンジをヘタレコーチ陣としていこう。新しいチャレンジに負けはつきもの。だから、きっとまた、ツライ負け続けの日が始まる。でもね。

     「サッカーが好き」。その気持ちがあれば、ダイジョウブっ!

     内緒だが。ヘタレコーチ陣は、実は、ちょっと安心している。ん? 優勝したからではない。これで暫く、ママ達のコワイ顔のプレッシャーも少し和らぐだろう…という安心感だ(笑)。よかった~。

     これで。安心して、心おきなく、また負け続けられる。




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