FC2ブログ

    メンテナンス。 

     夜は代表戦、KIRINカップ


     リュウとスポーツショップに出掛けた。新しいスパイクを買うためだ。彼が選んだのは、ファルカスのSAKURA。このスパイクが出たばかりの頃、ネットで見て「白地に桜の花びらなんて。女みたいでカッチョワリ~」とかなんとか言っていたくせに。ケッコウ、ご満悦な顔をして「これが欲しい!」と言ってきた。「白いスパイクは汚れているとみっともないぞ。しっかりと磨いてくれ」と僕。さらに続ける。

     「ケアしてあげよう。大事な道具なんだから」。

     6年生以降、息子のサッカー関係の買物に関しては、「1人で」もしくは「友達と」行かせている。当たり前だ、何でも親掛かりは極力避けるのが我が家の方針。もちろん、本人もその方がいいに決まっているし。でも。今回は一緒に出掛けたかった。今日は、KSCがお休みになったので、火曜日の4年生「ドリブル突破塾」を明日に延期してでも一緒に出掛けた。

     ケアしてあげたかった。息子の心を。

     実は、まだヒザが痛いらしい。「どうなの?」と僕が聞くと、本人は「ん~。まだちょっと。でも焦っていないよ」と言うが。内心はかなり、「焦っている」ようだ。聞いてもいないのに「焦ってない」だもの(苦笑)。また、ちょっと心配なのは、今までは絶対に言わなかったような負け惜しみ・文句の類のニュアンスが言葉に滲むこと。特にケガを再発した試合のことになると不満があるらしく、言葉が歪む。

     普段であれば、んなこと言ったら、僕はハンパじゃなく叱る。「文句言うなら『弱い自分』に向かって言え」「そもそも、そんな暇があったら、練習しろ!」。それを分かっていながらも、滲ませてしまうのだから、その焦りは相当なのだろう。考えてみれば、「練習したくても練習できない」「試合に出たくても出られない」「頑張りたくても頑張れない」のだ。そんな中、ライバルたちは確実に実績を積み上げていく。

     ある意味、焦る方がフツーだ。

     そんなことを思っていた日曜日、教育テレビ名番組「あしたをつかめ」の再放送を見た。今回の内容は「スポーツトレーナー編」。セレッソのユース年代トレーナー中山氏が紹介されていた。ドキュメンタリー構成で番組は進む。冒頭の試合シーンでDFがケガをする。この子のケガに対してのケアの仕方が番組の柱だ。

     このケガをした選手は「準レギュラー」。激しくポジション争いをしている最中でのケガ。本人は焦る。「今やらなければ!」の思いが強い。しかし、中山さんから練習参加の指示がもらえない。地面を殴って自分のケガを悔やみ、恨む選手…。

     ただし、中山さんはこの選手を放っておかない。
     時間のある限り、「話し掛ける」。

     ケガが長引き、リハビリが続くと、選手は満足に練習もできず精神的に落ち込んでゆく。自暴自棄になって「サッカーをやめようか」と考え始めるときが、選手が最もつらいときだ、と中山さんは話す。選手とコミュニケーションをとりながら向き合い、精神的に落ち込んだ選手の心のケアもする。カラダのケアしながらも精神的な支柱になってあげなければならない。「個々の選手の心と体にじっくり付き合えるのが醍醐味」だと中山さんは言い切った。

     そう。鋼(はがね)の強さを求められるけれど。
     人の心は歪むこともある。
     だから、心の歪みを正すため、ケアが必要なときもある。

     ましてや、息子は中学1年。そして、かなり強い心を持っているだけに。より強くするために!と鋼に「ヤキ」を入れ過ぎれば心がポキリと折れてしまうかもしれない。厳しさだけでは耐えられないだろう。これが小学生なら、なおさらだ。ケガをした、しないだけでなく。試合に出してもらえない、出ても文句ばかり言われる、下手だから…とほっておかれる。そんなことしたら、鋼になる前に溶けてしまうかもしれない…。

     叱って、ケア。おだてて、ケア。公平に、ケア。しっかりと個を見つめてあげて、ケア。コミュニケーションを取って、ケア。強い弱いでなく。教え上手、教え下手でなく。そういうことをキチンとしてあげられるのが、「いいチーム」「いいコーチ」の条件なのかもしれないなぁ。そうありたい、僕は。

     心のケアしてあげてますか?

     今日、僕は。行きの道中と、買い物中はなるべくサッカーのことには触れなかった。頑張れ!の一言も言わないようにしていた。なるべく、彼の琴線に触れないように。でも元気付けているのがわかるように。丁寧に丁寧に。会計を終って、さて帰ろうか?という時に息子の方から言ってきた。「ありがとね。オレ、頑張るから」。涙が出そうになった。言葉を返そうとした時に息子が続けた。

     「だからさ、父ちゃんが落ち込むなって」。

     普段、よっぽどウルサク言っているわけね、僕は(苦笑)。






    コメント

    コメントの投稿















    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    https://halusaka.jp/tb.php/484-dc25fa63