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    大きな金メダルをあげたい。 

     練習もやった。


     今日はA市スポーツ少年団主催の駅伝大会が行われた。もちろん、サッカー以外のこういう活動を大切にしたい我がチームも出場。レースは補欠を含めて1チーム8人で行われる(走るのは6人)。何チームエントリーしてもいい。11期生は29人いるわけだから、出そうと思えば3チーム出せるが、走りたくないヤツもいるので2チームのエントリーとした。

     今年のチーム構成の仕方は去年とチッヨト違う。昨年はコーチによる指名だったのだが、今年は「出たいヤツ」から立候補を募った。「勝ちに行く」というよりは、そういう自主性を大事にしたいとの考えからだ。多少、自信のあるヤツは手を挙げる。①のチームでなければ出たい…という子もいた。補欠だったら…という子も当然いる。それはそれでよし。その中で、意外だったのがHTクンが手を挙げたことだ。

     「出てもいいならば、出たいです」。

     HTクンは息子と一緒に11期生のトップを切って1年生の時に我がチームに入った。家の用事がない時以外は、必ず練習に来る。個人の朝練習も欠かさず毎日やっている。でも。隠しても仕方がない。ハッキリ言う。HTクンは足が遅い。校内のマラソン大会だって後ろから数えた方が早い。サッカーだってウマクはないというよりもヘタである。ニブイのだ。それはHTクンのせいではない。そんなHTクンだけど。常に一生懸命。僕らはHTクンが大好きだ。

     「よしっ。HTクン。よく言った。出よう。頑張ってみよう」。

     そして今日、大会当日。各チームの選手は1区当たりを平均6分50秒くらいで走る。区間賞を取る子は6分を切る。皆、速い。そんな中をHTクンは走った。②チームの4走。タスキを受けて走り出す。スタンドから応援の子ども達の声が響く。①チームの1走の予定だったが、ケガで応援に回った息子の大きな声が届く。

     「HT~っ!がんばれ~」。

     HTクンは走った。トラックを回り外周コースに入る。僕らは運動公園の中で帰りを待つ。腕のストップウォッチがめまぐるしく時を刻む。来たっ。再び競技場に戻ってきた。真っ赤な顔をしながら、小太りのカラダを揺らしながら必死に走っている。ゴールしてタスキを繋ぐ。倒れ込む。よく走った。タイムは8分台。おそらく参加選手の中でかなり遅い方だろう。でも、

     HTクンは自分の意志で走った。走り切った。

     速い子が偉いわけではない。スポーツの世界では順位は相対的な大きな指標ではあるけれど。それはあくまでも相対的なものだ。絶対的なことは他にある。積極的にチャレンジすること。速い遅いではなく自分の中の弱い自分と戦い抜くこと。そして決してあきらめずに最後までやりきること。それができれば誰もが勝利者だ。だから、順位に関係なく、今日、この駅伝を走った全員の子どもが勝利者だ。

     HTくん、何より君は自分の意志で走ったのだから。胸を張っていい。お前は勝った!

     僕は思う。HTくんは我がチームの誇りだ。



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