2006.12.13 Wed
冬のリズム。




息子のヒザのケガがよくならない。11月6日に「痛い!」と言い始めたわけだから、既に1カ月以上たつ。その間、マラソン大会、セレクション等、ムリをしなければならないもの以外は全て、学校の体育も含めて休ませている。練習もタマ拾い。思い切りボールを蹴りたいだろうに。ちょっと、見ていてカワイソウになる。
昨日、4本目のヒアルロン酸をA市中央病院に打ちに行った。先生も僕ら親子のモヤモヤ感を感じたのか、「長引いてるね~」と話してくれる。思い切って聞いてみる。「先生、筋肉が落ちるのが心配です。長距離を歩くのもダメですか?」。「いや。歩くのは全然、OKよ。早歩きも問題なし。運動不足でイライラしてしまうだろうし。歩いた方がいい」。
よっしゃ!では、歩こう。というわけで。昨日から歩き始めた。今日は僕も付き合った。
夕食を取ってから出かけた。時計は7時15分。クラブW杯は後半から見ればいい。今回は夏のように「テクテク」というリズムでは歩かない。目的は「リハビリ」に近いから。それにあったリズムを取ろう!と2人で話して「4回鼻で吸って3回口で吐こう」と決めた。つまり、
「スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
歩き出す。気温は低いのだが、雨上がりだから刺すような冷たさは感じない。逆に湿度を含んだ空気が気持ちいい。すっかり流行となった各家のクリスマスイルミネーションが美しい。街に出なくても住宅街で充分にクリスマス気分が満喫できる。
「もうすぐクリスマスだな。スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「そ、だね。スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
湿度があるから、吐く息は白くない。適度な湿り気だから息も苦しくない。もうちょい、とスピードを上げる。楽々と付いてくる。肩が並ぶ。ほとんど身長はもう変わらない。足は多分、息子の方が長い。いや、僕のほうが短いが正しい言い方か?
「何が欲しいんだ?クリスマスには。スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「どっち?アナタタチ?それともサンタ?スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
息子が着ているウォームアップスーツは去年まで僕が着ていたもの。もちろん、adidas。サイズはL。大きいということは全くない。丁度いい。色は黒。遠目には小学生の子どもとその親には見えないだろう。なのに。サンタ?って…。お互いに前をむいて、2kmほど黙って歩く。
「サンタはいるのか?スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「いるに決まってんじゃん?スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
コイツ?確信犯か?(笑)。イナイと発言すれば、プレゼントは1つしかもらえないくらいの浅知恵が働いているのか?それとも、まだ本気で信じているのか?う~む。わからない。フツーは友達との会話で分かりそうなものだが。コイツは大人なのか?それとも子どもなのか?また。暫く黙って歩く。
「1つ聞きたい。そこのすごくイルミネーションがキレイな家とウチに来るのは同じサンタなのか?スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「はっ?何を言っているの?同じに決まっているじゃん!スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
マジか?マジで言っているのか?ノホホン野郎だとは思っていたが。ある意味、天然記念物に近いぞ?そういえば、ウチの嫁にその昔、「飛行機は電池で飛んでいる」と冗談をいったら暫く本気で信じていたことがあったなぁ。遺伝か?話すタイミングが見出せない。また黙って歩く。今度はリュウが話し出した。
「ホントはね。スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「うん?スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「ウスウスはわかっているんだ~、スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「ウスウスか?スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「そう、ウスウス。スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
「スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
時計を見ると20時。もう40分以上、歩いている。 セブンイレブンが見えてきた。ここまでくれば、家はもう近い。店の前に着いた。「OK。何か飲み物でも買って帰ろう」と言って止まる。僕は缶コーヒーを、彼はカルピスウォーターを買って飲む。
「さっきの話だけど。僕は、さ。信じたいんだよね。本当はお父さんとお母さんがサンタだとしても。去年、『どうしていつも同じようなお菓子を付けてくるんだろ?』と思ってわかったのだけど。信じていたい。いない、というのは簡単だけど。それでもいいよね?子どもなんだから」。
なんか知らないうちに大人になったなぁ(笑)。
そうそう。信じることから始まるんだ、何事も。上手くなれる!と思ってなければ上手くなれないし、勉強できる!と思っていなければ勉強はできない。まずは、簡単にあきらめないこと。前も書いたけど「空の飛び方」は「空を飛べると信じること」なのだ。
だから。ケガも早く治ると信じれば早く治る!
「サンタはいる。いると信じているヤツには一生いるぞ。例え自分が父親になってサンタになっても、な。信じてなきゃ自分がなれないだろ?笑。だから、ピーとマイにも『いるよ』って言い続けろ。オマエはサンタに何をお願いしたいんだ? 最近、サンタも貧乏だからな。なかなかリクエストに答えられないかもしれない、笑」。
「うん。サンタにはオレンジレンジのアルバムを頼むから。よろしく言っておいて」。
わかった。よろしく言っておこう。こう見えても、お父さんはケッコウ、サンタと仲良しよ?さて。早く帰ろう。クラブW杯、まだやっているぞ?案外、面白いゲームだと思うよ。家まであと200mだ。もう一度、あのリズムで帰ろうか?
「スッスッスッスッ、ハッハッハ~ッ」。
- [2006/12/13 22:20]
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