2006.12.02 Sat
姿勢!
- 少年サッカー
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祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅雙樹の花の色 盛者必衰の理(ことわり)を顕(あら)はす
奢(おご)れる者久しからず ただ春の夜の夢の如(ごと)し
猛(たけ)き人も遂(つい)には滅びぬ 偏(ひとへ)に風の前の塵(ちり)に同じ
ご存知、平家物語の冒頭の一節。子どもの頃、風呂の中でイヤというほど父に聞かされた。おかげで、今でもスラッと暗誦できる(苦笑)。
今日はA市・市長旗争奪サッカー大会予選が行われた。7月に雨で中止となったが、旗がもったいないので、今年に限り12月に市内大会として開催しよう!となったのだ。会場準備も終わり、「試合時間が遅いから、今日は1試合も見れないなあ」とブツブツ言いながら、帰宅をしよう(今日も出社だからね)と思った時だった。
「こんちは~!」
大きな声でアイサツをする子どもが2人。KチームのSクンとYクンだった。ニコニコ笑いながら、ペコリと僕に頭を下げる。カワイイ。この2人は実にサッカーがウマい。かなり、ウマい。A市でも1・2を争うくらいにウマい。A市の少年サッカー関係者ならば誰でも知っているくらいにウマい。視野も広いし、柔らかなボールタッチのドリブルも素晴らしいし、判断も速いし、人も使えるし、人に使われることもできる。何より、こういう風に明るく大きな声で屈託なくアイサツできることが素晴らしい。
「おおっ!こんにちは!元気いいなっ!今日はヨロシクなぁ~」。この日の我がチームの初戦の相手が彼たちなのだ。「オマエら、進路どうすんだ?Jクラブセレクションはどうだった?」。今の時期の我が県南地区6年生に対しては時候のアイサツと言っていい質問を僕は軽く投げかけた。
「いや。Jは受けていないもん。オレラ、○○に行きたいんだ。受かるかなぁ~?」。
ちなみに○○はA市上尾の某ジュニアユースチーム。(オマエラなら、Jの2チームでも受かる可能性大よ~。市内ならば落ちるわけないじゃん?)とノドまで出掛かったが、「そうか。練習しろよ~。今年はA市のウマいヤツが皆、○○に行きたいって言っているから。練習しないとオマエラでも落ちるかもよ~」と全く根拠のないブラフのみの愛情左ジャブを軽く入れた。すると、
「うん。コーチからも同じことを言われている。だから必死なんだ~」。
うむっ。さすが、強豪チームのコーチ。その辺りは完璧に抑えているのね~。そう思いながら、コンビネーションパンチとして一応、愛情右ストレートも撃ってみた。
「○○は学力テストもあるみたいよ?勉強もしている?」
「ウソォ~?」
はい。ウソです(笑)。
そんなやりとりがあって、僕はグラウンドを後にして会社に行った。試合終了した頃、Yコーチから電話が鳴る。H2コーチからメールが入る。どちらも、僕が土日出勤となった今、結果を知る手段としてとても重宝している(笑)。2人のコーチの話は要約すると以下の通り。「勝ったけど。1-0で。マグレに近い。内容は完敗。完全に相手ペース。個人技と。さらに素晴らしい連動パスと。激しいプレスと。そして、元気のいいコーチングと。ウチがやりたかったこと全部やられた。ウチは前線キープできず。中盤はプレスできず。最終ラインはバタバタ…」。
そりゃそうだろう。奢れる者は久しからず、なのだから。
県大会予選以降、最近の11期生の気の抜け方は尋常じゃない。ケガもあるが理由をつけて練習に来ないヤツが続出。家庭の事情で来られないのは仕方がないが、それを埋める努力をしているとは、とても思えない。試合会場で他団のコーチに会ってもアイサツするわけでもない。シラ~っとして。でも、こんな会話は平気で聞こえてくる。
「オレさぁ~。中学に入ったら、○○に行こうと思っているんだよね~」
勘違いも甚だしい。何サマのつもりだぁ?市内のチームならばどこでも行ける!と思っているのか?確かにセンスはあるヤツが多い。でも、現状で満足して努力を続けてないオマエらに未来があるわけないじゃ~ん!まず、受からないと思った方がいい。実際、オマエラよりウマいヤツラが努力をしているんだよ?例え、オマエラのほうがウマかったとしても。今の時期の差なんて簡単にひっくり返る。やらなきゃヘタになる一方だし、やっているヤツはウマくなる一方。プラスマイナスで考えたら、その差はすごく大きいんだよ~!。
それが。こうやって試合に出るんだって。ホラ、1カ月でひっくり返ったでしょ?チームの力が。
確か2カ月くらい前のサッカーダイジェストに都立久留米高校(選手権出場オメデトウゴザイマス)の監督さん(この方はS級取得講習のインストラクターでもある。つまりS級ライセンスの先生なのだ)が羽中田氏のインタビューを受ける企画があって。こんな感じ(ウロ覚え…)の話していた。「育成年代で選手を見るときに、サッカーに対するいい『姿勢』を持っているかどうか?を一番重く見なきゃいけない。そして、最も教えなくてはいけないのも、この『姿勢』。努力を続けられる『姿勢』に指導者がこだわらないとダメ」。
つまり。我がチームで言うと。選手だけが悪いのではない。僕らコーチ陣が悪い。一番、指導をしなければいけないところを教えきれていないわけだから。泣いても笑っても、あと4カ月。ちょっと、ネジ巻くぞ~。何よりもそれがサッカーだけじゃなく、生きていく上で一番大切なことにつながるんだから。
無理強いはしない。「映画も・ボウリングも・釣りも・彼女も好きだけど。オレ、やっぱサッカーが一番好きっ!」ってヤツだけ、ついてくれば、それでいい。さて。何人が着いてくるか?それこそ、僕らコーチ陣の今までの力量が問われる。
まずは。平家物語の暗誦から始めるか?
一流の琵琶法師が育つかもしれない(笑)。
- [2006/12/02 23:07]
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