2006.05.30 Tue
「ブス恋」は録画だな…。

NHKスペシャルで3夜連続で「W杯特集」をやっている。実は、ハイビジョンではGWに先に放送していたので、見た人も多いだろうけど、簡単におさらい。
一昨日は「魔術師・ロナウジーニョ」。子どもの頃の映像や、エラシコ(『輪ゴム』という名の足技)の科学的分析、を散りばめながら本人にインタビュー。あまりに素晴らしいので子どもと一緒にビデオで2回見てしまった(笑)。今日は日本代表の「プレス」の話しらしい。
取り上げたいのは昨日の回。簡単に言うと政治とサッカーの話だった。
まず番組は、アンゴラを取り上げた。エース10番・アクワの目を通して、その国の実情に迫る。02年に終結するまで27年も続いた内戦。イデオロギーが違うとはいえ、同じ国民同士が戦う(とはいえ、裏にはアメリカと共産主義国家がいたのだけれど)戦争が行なわれていたわけだ。徴兵され、戦死したりケガでサッカーをあきらめたりするプレーヤーも多かったという。そして、今回のW杯の初出場。全国民の期待を一身に背負って、そして夢破れた友のために闘うアクワの姿が描かれた。
映像はサッカーをする(サッカーだけが唯一の遊び、何より楽しい遊び)子どもを映す。誰もが「僕はアクワだ」「僕もアクワだ」と言いながらドリブルをする。サッカー場なんかじゃない。道が広くなっただけの広場。舗装なんかされていない。その真ん中に木の枝を差してゴールを作って。もちろん裸足。ボールはスポンジをテープで巻いたもの。アクワが子どもの頃、やっていたものと20年間変わらないサッカー。その中でのW杯だ。
内戦が終ったといっても、この国は、まだ大きな問題を抱えている。地雷である。人間というのは意地の悪い動物で、「ケガをさせた方が、その国の体力は弱まる」という理由で開発されたとんでもない兵器だ。これが恐ろしいほど埋まっていて、未だ除去されていない。ボスニアやユーゴスラビアもそうだが、この地雷でケガをする人がいまだにたくさんいるのだ。
続いてウクライナ。独立はしたものの、国としての纏まりに欠けたウクライナ。ウクライナ国籍を捨てロシア代表になった先輩たち。しかし、シェフチェンコは祖国をW杯へ!の思いで、2度のプレーオフ敗退にめげず、やっと今回、出場権を得た。政治的腐敗に悩まされた国はオレンジ革命を果たし、一つに纏まるチャンスを掴んでいる。。。(実は、うまくいっていないのだが)。今回にかける思いは強い。しかし、先日、じん帯損傷のケガを負った。。。
次はバラック。東西統一後、初の東ドイツ出身のキャプテン。実はドイツはまだ一つではない。経済格差がもの凄いのだ。今回のW杯も使われるホテルで東のものはポツダムのホテルのみ。旧・東ドイツ地域のサッカーチームはどこも苦しみ、学校も凋落している。バラックの活躍は、だからこそ期待される。
長くなったけど。こんな内容。
夜10時からの放送だったから、息子は見ていない。「ビデオで見る!」と言っていたが、多分、前日のロナウジーニョのシェフチェンコ版・バラック版と思っていると思う。もしかしたら、途中であきてしまうかもしれないが、僕は最後まで見続けさせようと思っている。
この番組を見て、僕が息子に言いたいことは、たくさんある。でも、今回は、黙っていようと思う。何も僕が語らずに、彼自身が何を感じるか?何を思うか?そして、何か変化が出るのか?辛抱強く待ってみたいと考えている。一つだけ。ただ一つだけ。これだけは、感じて欲しいことがある…。
「サッカーは世界中で愛されている」。
このことだけはわかって欲しい。
- [2006/05/30 20:10]
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