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    証明せよ! 

    明日は降らないとのことだけど。。。


     世の中で一番大事なもので、かつ一番やっかいなもの。それが「自由」だ。

     僕が出た高校は某県立高校。今は「理数科」に数人の女の子がいるらしいが、僕の頃は定員315名の普通科のみのバリバリの「男子校」だった。校歌の歌い出しの「♪山紫に明け染めて、流るる水の末、霞む~♪」にちなんで、故郷と学校の立地を表す言葉、そして生徒の心の持ち様として「山紫水明」という言葉が良く使われていた。それだけでも地方の男子校の雰囲気は充分にお判りいただけると思うが、トドメを一応刺しておくと、校訓はド田舎のバンカラ高にありがちな「独立自尊」「文武両道」。もう笑っちゃうくらい、旧制中学が引きずった学校だった。

     校風は一言で言うと「自由」。もう徹底的に自由。束縛は一切ゼロ。勉強するもしないも、自由。遅刻するもしないも、自由。早退するもしないも、自由。授業に出るも出ないも、自由。学ランさえ着ていれば下に何を着ても、自由。もちろん、学ランの形も自由。通学も、徒歩だろうが自転車だろうがバイクだろうが自由。他の学校から「貴校だけ、それを許すとウチが困る」と言われても、歴代の校長は「独立自尊」を貫いた。さすがに全校生徒の半分以上がバイク通学を始めてからは安全上の理由で禁止したけれど。それでも、裏の市立図書館まで乗ってきて駐車していても先生たちは何も言わなかった。とにかく全てが自由だった。

     入学して、その自由の溺れた。朝、担任が出席を取ったらすぐに「共稼ぎで家人が不在の」友人宅に集合。そして、ハードロックをBGMに麻雀。もしくは行きつけの喫茶店で漫画を読んでスモーキン。体育の時間だけは学校に戻る。体育教師が厳しかったからではなくて、体育が皆、好きだったから。終ったら、また遊びに出かける。で、部活でまた学校に戻る。毎日毎日、その繰り返し。

     1年生の3学期の進路指導。事前に提出した志望校を見て先生は親と僕に、こう告げた。「ん。入れる能力はあります。でも、1年浪人決定です。仕方ないですね、1年遊んだのだから」。自慢だが、高校入試時の成績はヒトケタ。クラスの委員長だったから(1年1学期だけは成績順に役が与えられた)。この時、315人中290番(爆笑)。さすがにこの辺りで目が覚めた。

     自由とは、単なる束縛からの解放でなく、自らの強い意志に従って行動することをいう。
     自由だからこそ厳しい。
     自由だからこそ自分に責任がある。
     自由だからこそ考えねばならない。
     でも。だからこそ自由には無限の可能性が秘められている。
     だから自由は素晴らしい。

     トルシエ校長からジーコ校長に代わって、4年間「自由」が与えられた日本代表学校とその生徒たち。途中、サボってキャバクラに出かけたヤツもいたが学校としては予選という「足切り」には引っかからずに、W杯本戦という2次試験に進んだ。校長の与えた自由の責任を生徒たちは、この本番で果たすことができるのか?やらねばなるまい。生徒たちが一番望んだ大舞台なのだから。やらねばなるまい。闘うのは23人の生徒たち自身なのだから。

     与えられた自由の重みと可能性を証明する最終試験ドイツW杯が、今夜始まる。


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