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    コンダクター 

     暖かいと思ったのは僕だけ?


     全国高校ラグビー選手権がサッカーより一足早く始まっている。今日のスポーツ新聞各紙が取り上げているのは、昨日緒戦を突破した静岡代表・東海大翔洋のSH(スクラムハーフ)倉津君だ。

     倉津君は先天性の難聴。普段は補聴器をしているが、試合中は危険防止のため外す。レフリーの笛の音も聞こえない、相手の足音も聞こえない、味方の声も聞こえない。「まるで水の中にいるようです」と本人は話す。でも、そんなハンデをまったく感じさせないプレーは見事なものだった。気配で相手を察し、15種類のブロックサインで仲間とプレーの確認をして相手を圧倒。「他の人より見る力はある」と自分で言う通り、首を振り常に周囲を確認。どのコースを攻め、守ればいいかを察知してチームを88-0の大勝に導いた。

     SHというポジションはラグビーの要だ。言うなれば、チームの指揮者だ。スクラムを組むFWとボールを持って走るBK(バックス)を繋ぐポジション。スクラムにボールを入れ、NO.8の足元からタイミングよくボールを取り出し、スタンドオフにボールを供給する。相手に最も近いポジションなだけに、激しいタックルを食らうことも多い。小回りの効く判断力に優れた人がこのポジションに向いている。

     倉津君は「危険だから」と大反対する両親を押し切り入部。高校からラグビーを始めた。何度も挫折しそうになるが、「やめたら僕の負け」と挫けず頑張った。気が付けば、チームの柱・SHのレギュラーに。そして全国大会出場。チームメイトと反復練習で培った信頼関係による正確なパスは日本代表SH村田も目を見張ったらしい。

     人の何十倍も努力をして、高校ラグビーの聖地・花園ラグビー場に立っている倉津君に拍手を贈りたい!もちろん、チームメイトにも。

     そう。不可能なんて無いのだ。やろうとしなければ何も出来ない。自分を信じて、仲間を信じてアクションすることが大切。前を向いてガムシャラに努力をする人間を「ラグビーの神様」であれ、「サッカーの神様」であれ、見捨てるようなことはしない。

     下手な能書きをつらつら書くよりは、事実を淡々と書いた方がよい!と思い、すっきりと書いた。明日30日、優勝候補の一角、茨城・茗渓学園と東海大翔洋は2回戦を戦う。

     何よりも倉津君のプレーを見て欲しい。

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