2005.10.22 Sat
「気まぐれヴィーナス」。
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「あのな、サッカーの神様は本当にいるんだよ。今日の準決勝の試合も空の上から、ちゃ~んと見ていたはずだ。どっちに勝たせようかな~?と、ずっと試合を観ながら考えていたはずだ。両チームとも、すごく頑張っていたから、とりあえず『引き分け』にしよう!と考えたのだと思う。スコアを0-0にしたのにも理由があって、両チームのキーパーの気合とバック陣の気持ちを読み取って、同じ『引き分け』でも0-0にしてあげよう!と決めたはずなんだ。だから、我がチームのRクンのヘディングもバーの上に行ったし、相手チームのシュートもバーを叩いた。神様が決めたことなんだ。
でも、引き分けでも大会規定によりPKで決着を着けなくちゃいけない。じゃないと決勝戦ができないから。そこで神様は考えた。どちらをどう勝たせるか?を。もう一度、ゲームを振り返ってどちらにするか?を仕方ないけど考えたんだ。で、神様は、《どちらが『サッカーの大切な決まりごと』を守ったか?》を見直してみた。神様が『外そう!』と思った両チームの惜しいシュートだったけど、ホントはどうだったのだろう?相手チームのシュートは、『ゴールを見た』シュートだったのだろうか?Rクンのヘディングは約束通りに『首を縦に振っていた』だろうか?最後の5分間、相手は良く攻め、我がチームは良く守った。でも、もう一回考えた。相手はどう攻めたか?足は動いていたか?声は出ていただろうか?我がチームはどう守ったか?苦しくっても足を必死に動かしたか?ズルズル下がらずに前で前で守っただろうか?声をかけてコーチングしていただろうか?クリアもただ蹴るだけのクリアじゃなくて、前を見て誰かに繋げようとしていただろうか?
神様は、その時に決めた。両チームともよくやったけど。今日の試合で約束事をたくさん守ったのは相手。今回は相手の勝ちにしよう!と。で、その時に我がチームの誰にPKを失敗させるか?も決めたんだ。神様は、普段の試合も、観ているから『考えクセのあるMくん』と『巻き蹴りが直らないYくん』にしようと。案の定、Mくんは『考えすぎて』、思いっ切り!じゃなくてコントロールしようと思ってボールの下をインフロントで蹴った。大きくバーを越えても不思議じゃない。Yくんも巻き蹴りで蹴ったから、左サイドのポストに当たって入らなくてもおかしくない。こうやって、相手の勝ちは決まったんだ。
神様が、我がチームを負けにしたのには、もう一つ理由がある。それは、我がチームの子供達を試してみよう!と思ったからだ。確かに我がチームは、そこそこ強い。でも、今日の準々決勝みたいに『勇気が欠けた』試合をする時もある。この子達は、本当に負けず嫌いなんだろうか?本当にサッカーが上手くなりたい!と思っているのだろうか?今回、負けにすることによって、Rくんはヘディングシュートの時に首を縦に振るようになるだろうか?Mくんは、ただボールをドッカン!蹴る事を止めるだろうか?Tくんは残り5分も足を止めずに頑張れるだろうか?MくんとYくんはちゃんとPK蹴れるように練習するだろうか?次に、それができたら、考えてみよう。勝たせることを。そのためにも今回は負けにしよう、と思ったんだ。
横を見てごらん。何が見える?そう、優勝チームの喜んでいる姿があるよね。お前達が引き分けて、PKで負けた相手だ。お前達の首には銅のメダル。向こうの色は金。確かにお前達は頑張った。その銅メダルは胸を張っていい、とコーチは思う。ただ、これでいいや!頑張ったのだから!とお前達が思うのかどうか?は、お前達自身が決めること。金がいい!と思うならば、苦しい練習を頑張らなきゃいけない。銅でもいいと思うならば、このまま。サッカーの神様は、そこを試しているんだよ。どうする?」。
「頑張る!」。
今日の表彰式終了後の子供達とのやり取り。まっすぐに優勝チームを見つめて。叫んだ声。
我が地区後期大会3位。1ヵ月後に新人戦予選が始まる。
- [2005/10/22 23:10]
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