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    古豪。 

     曇りのち雨
     
     
     母校の野球部が県大会のベスト4に残っている。僕の母校は、大昔は甲子園によく出ていた、いわゆる「古豪」。僕が小学校2年~3年の時に春夏連続出場をしてから今まで、出場を果たしていない。もし代表校になれたら、新聞の見出しは「古豪復活」で決まりである。

     高校への通学は自転車であった。行く道の途中にあった中学時代からの友達の家に寄り、彼と一緒に行くのが毎日の日課だった。その彼は野球部に入っていた。野球部に入っている人間は誰にでも簡単に識別できたはずだ。その頃、詰襟をキチンと閉めて、学帽を深めに被っている高校生など、市内に僕の母校の野球部の人間しかいなかったから。友達は、その一目で「○○高校野球部」と判る格好で毎日、僕を待っていた。こちらは何の制約も無いラグビー部。いい加減な学生服(ご想像にお任せします、笑)を着て、髪の毛はクリクリのパーマをかけてママチャリに跨っての通学。周りから見れば、不思議なコンビだったに違いない。そのコンビで毎日毎日、学校に通った。

     学校に近づくと、当然、それぞれの先輩に会う。僕の挨拶は、大きな声で「こんちゃ~す!」。仲のイイ先輩と一緒になると、「好きな女の子のこと」「欲しいバイクのこと」など、いかにも高校生らしい話題を話しながら、学校まで行った。隣の彼の野球部の先輩への挨拶は、「ホッ」(ホの字をちゃんと発音する)。もちろん、学帽を片手で脱いで(当然、片手運転になる)。それで、終わり。相手の先輩も後輩を一瞥するだけ。挨拶は返さない。とっても不思議な光景であった。彼に理由を聞くと、「野球部の決まり。大きな声で挨拶するとみっともないから、らしいよ。つまらないけどなあ」。挨拶にまで決まりがあるなんて。名門とはムズカシイものだ…と思った記憶がある。
     
     僕は挨拶が好きだ。古い人間なのかもしれない。地方の男子校育ちだし。でも、それはそれでいいと思っている。だから、子供にも挨拶する。「最近の子は挨拶しない」なんて意見が聞かれるが、そうでもない。こちらが軽く「おはよう」「こんにちは」と挨拶すれば、子供も返してくれるものである。大人が何も言わなければ、子供も何も言わない。習慣というものは、そういうものではないか。決まり事としての「挨拶しなさい!」の挨拶は子供たちにとって、「ホッ」と同じでつまらないものなのだ、きっと。

     母校は数年前、男女共学になった。OBとしては大変残念である。ただ、考えてみると共学が本来の姿なのかもしれない。女の子がマネージャーになって、野球部員に「おはよう!」と南ちゃんみたいに挨拶するようになったのかもしれない(笑)。本当に女子マネがいるかどうか?はわからないが、案外それが再び強くなった理由だったりして。それはそれで、素敵なことだと思う。もし、甲子園に行ったなら会社休んででも、必ず応援に行きたい。

     がんばれ!母校。

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