FC2ブログ

    職業=大学教授。 

     昼間は暖かい。


     仕事柄、ウチの会社ではどのセクションでも一日中、テレビが点いている。だから、ここ数日はどのフロアに行っても、例の声が聞こえてきた。しかも。男だらけの会社に響く、女性の声だから。一瞬、「なっ? なにっ!? 何が起きたの?」と思うことになる。

     ウォ~~、ウォ~っ、ウォーーっ!
     ヤップ、ヤァ~~ヤァ~っ、ヤァーーっ!

     会社中が発情しているのかと思った。
     いかん。どうも最近、発想がエロい(笑)。

     それにしても。なぜ、カーリングでは「ウォ~」と「ヤァ~」と叫ぶのだろう? 調べてみた。答えは簡単。「ウォ~」=「NO~っ!」がそう聞こえるだけ。当然、「ヤァ~」=「YES~」。サッカー風に言えば、「スルーっ!」=「掃かないで~」と「クリアっ!」=「掃いて~」ということか。でも。それだったら、日本語で言えばいいのに…。「日本人なのだから」という国粋主義発言をする気はないが、ネイティブな日本語の方がカラダが素直に反応する気がする。

     出会え~~、出会え~っ、出会えーーっ!
     ヤメ~~、ヤメ~っ、ヤメーーっ!
     この方が闘う場には相応しい(笑)。

     くだらない発想は、ともかくとして。スポーツで競技の標準語みたいなモノに縛られる必要が果たしてあるのだろうか? と思う。イヤ、確かに国籍の違うプレーヤーが同じチームにいる場合は、その必要があるのかもしれないが、国を代表して闘うのに〝相手〟にも分かる言葉で話すということには、僕は違和感を覚える。サッカーで言えば、「ターンっ!」「マノンっ!」。W杯で国と国の威信を掛けて闘うのならば、「行けるっ!」「来てるっ!」の方が他国は混乱してくれる気がするけど…。ところが、そんな風に「ちょっと、僕の考えはセコいか?」と思っていたら、日本代表は既にその理由で、「ターンっ!」「マノンっ!」は止めているらしい。そう。日本は日本らしく闘えばいい。

     サムライ魂で行こうよ、カー娘もサッカー日本代表も。
     目黒選手は、その方が似合うと思うけどなぁ…。
     
     その点、今日のカー娘の相手国、ドイツはドイツらしかった。特にスキップのシェップさん(44)。シェップさんの顔は。まさに。オリバー・カーンっ、そのもの(笑)。この顔で「ウォ~」「ヤァ~」の間に何か必死にドイツ語で叫んでいた。「ヤロウどもっ! 掃けっ! 掃きまくれ~っ!」もしくは「気合だっ! 気合だっ! 気合だぁ~っ!」って感じか? 間違いなく、ゲルマン魂の塊。僕はいっぺんに彼女のファンになってしまった。

     協会会長殿。次期監督にシェップさんはどうでしょうか?(笑)。




    虎になれっ!虎になるのだっ! 

     明日は体験会と試合。攻めよう。


     連日のバンクーバーオリンピックネタとなるが。フィギュアスケート男子・高橋選手、銅メダル獲得おめでとうございますっ! 感動しました。

     大拍手っ!

     一番いい色のメダルを取りに行くための4回転ジャンプ。失敗に終わったけれど、〝攻めて〟の結果。構成点だけを見ればNO・1。立っていれば金もあった。その意味で、立派な銅メダルだと思う。「4回転をやらずにメダルを取ったとしても一生、後悔する」。あぁ、なんてステキな言葉なのだろう。小塚選手も8位に終わったが、〝攻めて〟4回転を公式戦で初めて成功させての順位。未来は明るい。小塚選手にも大きな拍手を送りたいと思う。

     金メダルを取ったライサチェク選手は4回転ができないらしい。なのに金…。「だから、余計にスゴい」とも言えるのだろうけれど。確かに、演技自体は「完成度」がすごく高かったのだけれども。う~ん、何か素直に拍手が送れない。そう、思うのは〝責め好き〟の僕の性格が原因なのだろうか? 

     おっと。字が違う。
     この場合、〝攻め好き〟が正解だ(笑)。

     同じ理由で。僕は、女性誌が特集する小手先How to ○○○に似た、日本的〝ポゼッションサッカー〟というモノが、どうしても好きになれない。断っておくが、「理屈」は十分、理解ができている。ずっと、ボールをキープしていれば、リスクは減る。そして、複雑に動いて、相手の守備網を崩して穴を開け、そこを逃さずに攻撃する。できなければ、また下げて、キープ。それを繰り返す…。しつこいが、理屈は分かる。分かるのだが…、

     それって楽しいか?(苦笑)。

     僕が認める〝ポゼッションサッカー〟は。結果として、ポゼッション率が高いサッカーのみだ。圧倒的なテクニック、磨き抜いたサッカーインテリジェンス。攻めて攻めて、攻め倒して。万が一、奪われたならば命を掛けて奪い返す。だから、結果としてポゼッション率が上がる。チーム全体がリズムを取りながら躍動するサッカー。もし、カウンター一発で負けることがあったとしたら、「まだヘタな証拠」「闘っていない罰」と自らを追い込む〝攻めダルマ〟サッカー。そんなサッカーが僕の理想だ。

     ん? 今日もどこかのチームのコピーになってしまった…(笑)。
     (許してもらえるだろうか…)。

     フィギュアに戻ろう。高橋選手には、これで満足せずに「4回転を成功できなかった自分の不甲斐なさ」を感じて戦い続けてもらいたい。「チャレンジしないヤツに金メダルを獲られた自分が情けない!」と自分を叱咤し、更なる努力を継続してもらいたい。高橋~っ! 男なら。責め続けろっ!

     おっと。〝攻め続けろっ!〟だ。

     最後に。靴紐のチェックはしておこう。サッカーもフィギュアも(笑)。




    ホワイト・スネーク。 

    のち 何回目の雪だ?


     話題のスノボ・ハーフパイプの国母選手の演技を見た。予選で「ダブルコーク」を温存、決勝で披露という作戦だったらしいが、肝心のこのワザを2度失敗。残念ながら、8位に終わった。

     でも。頑張ったよ、国母クン。
     見ていて楽しかったもん!

     ただ。世界のトップレベルとは明らかに差があった。優勝したショーン・ホワイトのみならず、上位に来た選手のテクニックには素人の僕でさえ目を奪われた。国母クンのXゲーム3位という肩書きには、もうちょっと期待していたのだが…。できることなら、もっともっと〝攻めて〟8位に終わってほしかったと〝個人的には〟思う。まっ、国母クンには国母クンの哲学があるのだろう。それは、それで仕方がないことだ。

     それにても、だ。金メダルのショーン・ホワイトは凄かった。一人、次元が違った。そもそも、このトリック(=技)ができなきゃ上位に入れないという「ダブルコーク」も、この選手が考案したものらしい。それを他選手が必死でモノにしている最中に、彼は次のトリック「ダブルマック・ツイスト1260」なるモノを考案、習得しているとなれば、他選手が勝てるはずがない。ちなみに、ショーン・ホワイトは既に新しいトリックを持っているとのこと。その名は「アーリーウープ・ダブルバックロデオ」。

     コーク、マックの次は〝ポテト〟ではなかった(笑)。
     
     採点競技の世界でオリジナリティを持つことは、とても有利なことだ。体操で金メダル5個、銀1個、銅3個を獲得した塚原光男はご存じ「ムーンサルト」「ツカハラ跳び」を考案、習得し頂点を極めた。その後、技を必死に皆がコピーし、標準の技となるが、コピーはコピーでしかない。「完璧っ!」という賞賛は受けても、「なんだ?ありえん!」という驚嘆を与えることはない。決勝で国母クンが新技を披露し、その名前を問われた時に、こう答えたらカッコよかったと思う。

     「『黙れ マスコミ スペシャル』だよっ!」。
     腰パンだろうとなんだろうと許されたに違いない(笑)。

     採点競技だけじゃないか。サッカーだって、そうだ。小学生を見ていて思うのだが、「ウマイなぁ…」という選手は、すごく増えたが、「なんだ? ありえん!」という選手は本当に見なくなった。これは僕ら、指導者のせいなんだろうなぁ。コピーで勝負していると選手のことを、とても批判できる立場にはない。

     型にはめても、枠にはめない。
     そんなサッカーを僕は子どもたちと楽しんでいきたいなぁ。

     よしっ! 我がチームもニュートリックを開発しよう。名称は「顔面トラップ」「金的トラップ」「後頭部シュート」「顔面シュート」…。えっ? どこかで聞いたワザだって?

     すいません、某有名ブログからコピーしちゃいました…。
     (許してください…)。



    ※ちなみに題名は米メディアが「ダブルマック・ツイスト」に対して付けたオリジナルの名前です。
    ※ダブルコークの〝コーク〟はコカ・コーラではなく、「コークスクリュー=コルク抜き」のコークです。マックツイストの〝マック〟はそのワザを考案した「マックギル」さんの名前が由来だそうです。


    風→埃→盲→猫→鼠→桶。 

     明日はまた雪らしい。


     昨日行われた2010年我が県公立高校前期入試の問題と解答が、今朝の新聞に掲載されていた。
     
     受験生のみんな、お疲れ様でしたっ!

     この公立校入試問題に僕がチャレンジしてみた。結果は…。おっと、その前に。我が県では今年から公立高校の選抜方式が変わった。「人間像重視」から「学力重視」に〝戻した〟と教育委員会は言っている。また、事前情報では、「書かせる問題が多くなる」とも聞いていた。難易度が上がり、書かせる問題が増えるとなると、きっと40過ぎのオッサンではキツいのだろうなぁ…と思っていたのだが。結果は…。

     合計400点以上っ!
     ちなみに国語と社会は100点、理科は94点を獲得っ! 
     ただし。数学メタメタっ! 壊滅状態っ!(笑)
     
     まぁ、一応、大学まで出た大人の、緊張感もなく、お茶を飲みながらの結果だから参考にはならないだろうけれど…(苦笑)。ただ、なんでこんな予想外に得点できたのか? を自分で分析してみた。そうしたら、2つ理由らしきものに思い当たった。1つは、「時々とはいえ、1年間、息子の勉強につきあったこと」。社会と理科の高得点の理由は絶対にコレだ。肝心の子どもではなく、親の方に学力がついてしまった(笑)。

     もう1つは…。
     「難しかったこと」だ。

     問題自体は決して、難しくない。むしろ簡単と言っていい。ただ、答え方が難しい問題が揃っていた。〝難しい〟を〝大人向き〟と置き換えたら皆さんに伝わりやすいだろうか。「考えた上で、文章を論理的に構成しなくてはならない答えが要求される」問題が多かったのだ。また、「一般知識」自体を問われるものも多かった。だから、〝一般知識と文章を商売にしている〟僕にとっては、楽なものだったと言える。

     これは予想だが。平均点自体は例年並みになるとは、思う。が、点数の分布図が例年とは大きく違う気がする。多少でも「論理構成」を出来る子にとっては、「易しい」問題だったはずだ。高得点者の数は増えるだろう。同時に、論理に弱く、詰め込み勉強のみをした子どもには、「ムズい…」と感じるものになったのではないだろうか? だから、例年の得点分布図のコブは平均点周辺で盛り上がるものだっただろうが、今年は一直線、ヘタすりゃ、山2つの分布図ができる気がするなぁ。

     あくまでも。個人としての意見だが。
     「考えること」が要求されたことには、大賛成だ。
     ただ。やり方に多少の疑問を感じる。

     これも、おそらくだが。単純に「教える」ことのみに徹した学校の子どもたちは、苦労をしただろう。逆に「考えさせること」「自分を文章で表現すること」を課した学校の生徒にとっては楽なものだったのではないか? まずは、現場である学校に「子どもに考えさせること」を徹底した上で、試験に反映することが先のような気がするんだけどなぁ…。

     まっ、「考えること」を〝エリートの特権〟と捉える団体よりはマシか?(笑)。

     少なくても。中2以下のサッカー少年には「考えて答えをまとめること」を習慣化してほしいと願う。サッカーは「自分で考えるスポーツ」なのだから。〝勝つ〟ために、考えて意見を闘わせることは、サッカーが好きな君たちにとって、楽しいことのはずだ。それが実行できるならば、知らず知らずのうちに

      受験なんてヘッチャラだぁっ! という力がつく。
     
     「もっと早く言ってくれよぉ…」という中3の諸君へ。「できた」「できなかった」は時の運もある。人事を尽くしたのならば、あとは天命を待つだけだ。ただ、後期試験も睨むならば、まだ間に合う。まだ、2週間もあるのだ。一日10行でいい。日記を書け。「風が吹けば、桶屋が儲かる」程度の論理構成はできるようになる。本来、強引過ぎる論理構成はよろしくないが、高校入試程度ならば、それで許される。バラバラの意味不明の文章よりは、よっぽど良い。ついでに、それを5行でいい、英語に訳せ。たった10日でも、努力を怠らなければ未来は開ける。あきらめることなく。合格を目指して頑張ってほしい。

     最後に。交通事故には気をつけてねっ!(苦笑)。



    誓いの聖地。 

    のち 寒かった。


     関東では珍しいくらい降りしきる雪の中、車を走らせた。もうすぐ、目的地の光が見えるはずだ。確か、この方角…と思い、その方向に目を走らせる。が、そこにはいつもの風景はなかった。そこにあったのは…。キラキラと光る白いビルのような立方体。キレイだ。あぁ、いつものスポットライトに照らされた風景が、ビルに見えるほど雪は激しく降っているんだ…。

     Kグラウンド。我が県北部の少年サッカーの聖地。

     駐車場に車を止め、グラウンドを見る。葉を落とした背の高い銀杏、ケヤキを黒い模様としてビルのような空間は広がる。それが照明による幻影だと分かっていても、その美しさに暫し見とれた。

     グラウンドは当然、ぬかるんでいる。水も所々に浮いている。ボールも水を吸って重いに違いない。けれど。ここに集うサッカー少年達に、それはあまり関係ない。「雨の中のサッカー」「雪の中のサッカー」という負荷を楽しむ姿はいつも以上に生き生きとしている。丁度、ゲームが始まったところだ。コーチから厳しい声が飛ぶ。その声でプレーを止めることはないが、プレーの質は修正される。「いつもより、激しいかな?」と思ったが、その疑問はすぐに納得できた。

     そうか。新人戦、鬼平チームに負けて最初の練習なんだ、今日は。

     一番背の高い影に声を掛けずに車に戻った。掛ければ、練習を抜けて僕と話をしてくれることは分かっている。でも。今日は邪魔をしたくない。今日の練習の熱さに水を挟むのは〝空〟だけでいい。僕は、息子の件の御礼を述べることだけが目的だ。ゆっくり待とう。

     雪はさらに降りしきる。

     試合は終わった。が、すぐには車を出なかった。大きな影、自らがトンボを持ち、グラウンド整備を始めたからだ。この方は、決して驕らない。グラウンドを馴らすことは日常だ。ボール拾いもすれば、水まきだってする。サッカーに関わることならば、面倒と思うことは1つもないのだろう。

     だから。このチームは強いのだ。改めて感じた。

     行って手伝おうか? と思ったが止めた。これから子どもたちに話をするはずだ。そこまでが今日の練習。僕は今日だけは邪魔をしてはならない。そう思って、グラウンドを眺め続ける。20人ほどの人影が、走り抜けていく。KSC・U15。中には、今日、公立高の受験を終えた子もいた。久しぶりに見る、走る姿が逞しくなっていた。

     もう一度だけ。卒団までに、KSC・U15の試合を見てみたい。
     叶うならば。

     愚息の影をその軍団の中に求めたが、いなかった。きっと、弱い自分に負けて見学を決め込んでいるのだろう。「締めだな」と呟いて、すぐに自分に笑った。もう、そういう時期は過ぎている。自分で自分の甘さに気づけなければ、それまでだ。自分の行動に責任を持つ。自分の所為は自分に返ってくる。それを自分で感じることが〝大人〟になるということだ。もう言うまい。

     雪の勢いは増す。

     子ども達も解散したようだ。車を出て、挨拶に向かう。僕を認めて「おおっ!」と声を掛けてくださる。「鬼平チームに、あっさり負けたよ」。僕は試合を見ていない。でも、絶対に〝あっさり〟負けたのではないことを知っている。このチームは、そういうチームだ。「まだまだ、だ。ウチは」。同じことを鬼平先生がブログで書いていましたと僕は苦笑しながら応えた。「でも、負けたのはウチだ。チャンスはあったけどな。シュートを打ち切れないウチと打ち切った鬼平チームの差は確実にあったよ」。「普段の力がまだまだ出せない。いつものサッカーがなかなかできない。でも、それが県大会だ。それを今年も鬼平チーム相手に経験できた。そのことが春に繋がる。だから県大会は良い場所だ」。

     〝だから、オマエも県大会に来い〟。
     勝手だが。僕にはそう聞こえた。

     3年後。必ず県大会に行こう。
     雪の聖地で心に誓った。


    まず隗より始めよ。 

     ホーム小学校のグラウンドは全く問題なし。さすがの水はけ。


     「バスケ、上手になりたいっ!」。

     長女が燃えている。そのために、幼稚園時代から続けているHIP・POPダンスを辞めることになった。 今日は17時から、そのピーのHIP・POPダンスの最後の公演がO市民ホールであった。かわいいダンスも今日で見納め。

     またまた〝 勝負〟に身を費やす日々のみ残る(苦笑)。

     僕としては、本当は辞めてほしくない(苦笑)。タコ親丸出しで書くが、長女はケッコウ、上手なのだ、ダンスが。今日だって、センター張ってたし…。タコ親ついでに書くが、男親としては、何より、ダンスという競技が非常に〝女の子っぽい〟ので「かわいいなぁ…」と思っていた事実もある…(笑)。

     両方やればいいじゃんっ? 残念ながら、その選択肢がピーにはなかった。ダンスの練習日とバスケの練習日が重なってしまっていたのだ。あちらを立てれば、こちらが立たず。今日の公演までは、ダンスを優先していたからセンターは取れたけど。これから先が問題。練習を休むヤツには「センターを張るチャンス」も「コートに立つチャンス」も与えられない。なので、「どっちを優先する?」という命題を長女に課した。これに対し、長女は「バスケっ!」と即座に答えを出した。

     あぁ。悲しい(苦笑)。

     冗談はさておき。競技スポーツのコーチとして発言すると「練習に来ないヤツは、どんなに上手くても大事な試合では〝先発〟では使わない」は正しいことだ〝と、僕は思っている〟。普段の、そして不断の努力は、競技者としての一番最初のスタート地点。競技に対して真面目であること。一生懸命であること。このことは、競技が上手か下手か? を超越したところにあるはずだ。「小学生なんだから、そこまでは…」という意見もわかるが、

     一直線に取り組む姿勢は、それで1つの才能だと僕は思う。
     その点で。長女は、取りあえず第1関門を突破した。
     頑張れ~。

     3月アタマに、我がチームの2年生は初めての市内大会を迎える。勝ちに拘る気はサラサラないが、「やるからには勝ちたいなぁ」とは思う。メンバーは11人。先発は8人。実力は〝どんぐりの背比べ〟。そして、うれしいことに2年生は練習への出席率が異常に高い(笑)。さて、誰を先発で使うか…。悩みどころだ…。1人だけ、外す人間は、すでに決めてある。ソイツは1月の練習への出席率が異常に低いっ!

     僕がベンチ入り不可っ!
     平等がスポーツの原点だ(笑)。


    息子、交通事故に遭う。退院。最終日35日目。 

     寒かった。


    「ありがとうございました。本当にお世話になりました」。

     ナースステーションに家族全員で頭を下げて、病院を後にした。息子と娘2人と僕で荷物を両手いっぱいに持って、駐車場に歩いた。重い? 気にならなかった。皆、笑顔だった。車に乗り、エンジンスタート。軽快に走り出す。行き先? 家ではない。15分ほどで目的地に到着。

     我が県・一宮の神社。

     14時からの回で〝お祓い〟を受ける。もちろん、家族全員で。神官の祝詞に混じってN5スタジアムのアナウンスが聞こえてくる。そうか。今日は「Sシティ カップ」をやっているんだ…。アナウンスはオレンジJクラブの得点を伝えていた。うん、頑張れ、新生オレンジJクラブ。今年は、ちょっと期待をしている。同じように、我が家も頑張るから。

     実は今年は、1月2日、ここに初詣に来た。息子は絵馬を買い、高校の合格を願った。その後、買ったおみくじ。運勢は…。「吉凶。内容を読むと〝いいことと悪いことが両方起きる。用心し、慢心しないこと〟。そうならないようにおみくじを結んだが…。結果、いいことと悪いことは起きてしまってた。でも。このまま放っておけない。お祓いまで受けたのだから。さぁ、リベンジ〝おみくじ〟だ。強い引きで運勢を引き直せっ!。結果は?

     吉っ!

     どうやら。ようやく、いい年が息子にもやってきそうだ。
     1年の再スタートを切った最終日35日目が終わった。

     今年がみんなにとっても、いい年になりますように。



     ※たくさんの励ましコメントをありがとうございました。こんなに早く退院できたのも、みなさまのお見舞い、応援があったからと確信しております。深く深く感謝申し上げます。また、1月10日から今日まで、完全な「親バカブログ」となってしまったことを深くお詫び申し上げます。次回更新より、通常版に戻したいと思います。



    息子、交通事故に遭う。師。34日目。 

     明日は天気が悪いらしい。


     明日は退院だ。考えてみれば〝あっ!〟という間の1カ月だった。

     何よりも。温かい言葉を書けてくださった皆さんに感謝です。
     本当にありがとうございました。

     「15日目」でも書いたが。今回の事故で、息子はたくさんのことを学んだと思う。これから、彼には常に感謝の気持ちを持って生きていって欲しい。また、今回、彼は周囲の〝優しさ〟をすごく感じたはずだ。もし、今後、彼の周りに「困難に遭遇している人」が現れたら、皆さんと同じように〝優しさ〟を持って、その人に接して〝力〟を与える人間になってほしいと願う。

     人は1人では生きられないのだから。
     
     僕的には。今回、人にとっての「師」という存在の大きさ、大切さを改めて感じた。息子は「師」には恵まれたと思う。まずは学校の担任の先生。クラス全体が受験生という立場にいながら、息子のことも気に掛けていただき、沈みがちな彼の心を支えていただいた。そして、塾のT先生。受験のスペシャリストとしてだけでなく、兄貴分のような立ち振る舞いで彼の気持ちを高めてくれた。そして、KSC・U15T監督。時には叱咤、時には激励し、「マルガリーゼ全員、自分の子よりもかわいい」という姿勢でウチの子にも接していただいた。監督がお見舞いに来た後の息子は「弱音を吐くわけにはいかねぇ!」といつも燃えていた。

     ちなみに。面接の練習で「尊敬する人は?」と聞いたら、
     「クラブの監督です」と答えが返ってきた。
     残念ながら「父」という言葉は出そうもなかった(笑)。

     実は僕にも、今回、「あぁ、この人は、やっぱり僕にとっての『師』だ…」と思った方がいる。僕は、このブログにエラそうに「どちらも〝被害者〟だ」と書いているが、これは、その『師』の受け売りだ。その方の「相手もたいへんだ…」という言葉が、そのことに気づかせてくれた。

     自分で気が付けなかったことが。とても恥ずかしい。

     その時から、僕は、この方の日頃からのスタンスを思い出すようにした。「悪い結果は、全て自分の力のなさが原因。他人のせいに決してするな。良い結果は、自分の力で成し遂げられたのではない。周りの協力、思いやりのおかげだ。だから、感謝の気持ちを決して忘れるな」。このスタンスが、直情的な僕をどれだけ救ってくれたことか。本当にありがとうございました。これからも、お手本にさせていただきます。サッカーも、人としての生き方も。その方に息子の退院を報告した時のいただいた言葉が、また僕を感動させてくれた。

     「これで、彼に、また会えるなぁ。それが一番うれしい」。

     一期一会。僕も同じ気持ちで大石の子ども達に接して行きたいと思う。
     師との出会いに感謝した退院前日の34日目だった。



    息子、交通事故に遭う。知能。33日目。 

     でも。試合は出来たっ!


     「ブッセ」という食べモノをご存じか? 外はサックリ、中はフワフワでクリーム等が挟んである洋菓子だ。簡単な例を挙げると亀屋萬年堂の〝お菓子のホームラン王〟「ナボナ」は「ブッセ」である。

     今日、義母が福島から来たので、一緒に息子のところに、午前中に行った。「柔らかいモノなら、孫も口にできる」と考えたのだろう、「あだたらブッセ」というお菓子を義母は持ってきてくれた。父親に似て、甘いモノ好きの〝孫〟は、「ありがとうっ!」と言って、早速、パクついたが…。

     「噛み切れないっ!」(笑)。

     歯が失いことが「どんなにタイヘンなことか…」を書きたいのではない。僕が書きたいのは、「歯というものは、普段、全く意識をしていないが、ちゃんとそれぞれ〝役割〟がある」ということだ。前歯が上下揃って失ければ、「ブッセ」さえ噛み切れない。動物のカラダとは、なんと機能的にできているのかを「ブッセ」と格闘する息子を見て再認識した。

     それにしても。コイツは歯の失い時の食べ方を思いつかないのだろうか?(笑)

     午後は1年生と2年生の試合会場に向かった。我がチーム1年生は「超ダンゴ」サッカーを推奨している。ただし、幼稚園のモノとは明らかに違う。詳しく書くとマネされるので(マネされたっていいのだが、笑)書かないが、言ってみれば徹底した〝ドライビングモール〟サッカーを教え込む。だから、1年生のウチはよく負ける。全員でボールに行っているから、ドカ~ンと蹴られたり、左右に振られたが最後、簡単に点を取られるのだ。歯で言えば、

     全員が前歯のサッカーだ(笑)。

     2年生も、つい先日までは「全員が前歯サッカー」だった。が。12月くらいから、ちょっとしたサジェスチョンを与えてきている。あくまでも、さりげなくのサジェスチョンではあるけれども。が、子どもたちはそれだけで、「奥歯もあるサッカー」が出来てきているように、今日は見えた。4月からは3年生だ。そろそろ犬歯の必要性も、〝舌〟の役割も考えさせてもいいのかなぁ…。でも、

     焦る必要はない。

     しっかり。段階を踏んで。この子達なりの、健全な〝好き嫌いなくモノが噛める〟サッカーを作っていけばいい。まだまだ、しょせん、試合内容は〝離乳食〟くらいのものしかないのだから。今、何より一番大切なことは、「食べること(サッカー)って楽しいっ!」と思わせることなのだ。だんだん、カタいものの食べ方を教えてあげれば、それでいいと思う。

     さて、その後の息子だ。家で嫁が僕に報告してくれた。 「そうかっ! 手で千切って食べればいいんだっ! と2個目でやっと気が付いたみたい。どうやらチンパンジー並みの知能はあるようよ(笑)」。

     いいFW(前歯の入れ歯)が出来るといいなぁと夫婦で笑った33日目だった。



    息子、交通事故に遭う。常食。32日目。 

    のち 寒っ! 真冬に逆戻り…。


     退院が正式に決まった。

     「13日の土曜日。昼食を摂って、退院しましょう。この昼食から常食に戻しますから、家に帰っても普通の食事をして大丈夫です」。医者が明るい顔で言った。

     「先生っ! サッカーはいつからやっていいですか?」。リュウが聞く。

     「すぐにやって大丈夫。骨の付きも早いし、プレートで止めてあるわけだしね。相手のヘディングが顎に炸裂でもしないかぎり大丈夫。サッカー自体は、どんなに激しくやっても全く問題なしだよ」。
     
     「やったっ!」。

     「ただ。義歯が、まだ出来上がってきません。2週間はかかるかな? 歯のない顔をみんなに見られるのもイヤでしょう。だから、それまで家でゆっくりしていてもいいと思うよ。きっと、学校も許してくれますよ」。

     ところが。息子は学校にKSCにも、すぐに行くという。「恥ずかしい? そんなことより、学校に行きたいっ! KSCのみんなとサッカーがしたいっ! 行き帰りは、マスクしていりゃわからないよ。歯がないことで、僕が変わるわけじゃない」。

     オマエ、将来、ハゲても心配ないタイプだなぁ(笑)。

     でも。まだ気を緩めない、退院するまでは…と自戒した32日目だった。



    息子、交通事故に遭う。義歯。31日目。 

     暖かい。明日から、天気は崩れるらしい。


     歯を何にするか? が大きな問題だった。

     上下とも並びで4本ならば、ギリギリ、「ブリッジ」もできると医者は言う。「これがいいのは、ずっと付けたままでいいということ。そして、簡単には取れないということ。サッカーの間も付けていて大丈夫。ただ、息子クンの場合、歯槽骨がないので、どうしても隙間ができてしまいます…。それと残った健康な歯を大きく削らなくてはいけません」。

     義歯という選択肢もある。簡単にいうと入れ歯だ。「入れ歯は入れ歯です。何かの拍子で外れることもあります。また寝る時は外さねばなりません。また、口の中に異物を入れるわけですから、違和感は大きい。何より彼は、まだ若い。女性の前で歯を外さねばならないシーンだって、これから出てきます…」。

     「インプラントが本当は一番いい。ただ、骨の移植が必要になる。下は前後とも失いですから、厄介です。成長段階で、骨を取るのはリスクもあります。やるならば、数年後がいい。骨の定着に3カ月、インプラントの定着に3カ月と時間も掛かりますから、〝今すぐサッカー〟の息子クンには向いていないし…」。

     医者的には? との問いを最後にぶつけてみた。
     返事は「ブリッジですね。若さとサッカーが理由です」。

     ふむ。で、当然、「オマエのことだ。オマエが選べっ!」ということになった(笑)。

     彼は義歯を選んだ。「歯を失くした今、残ったモノまで削るのはイヤだ。見てくれが同じならば、義歯で我慢をする。慣れの問題でしょ? サッカーをやる時は外せばいいじゃんっ! 歯のあるなしで勝負が決まるわけじゃないし。相手チームのヤツが揶揄してきたら、キッチリとプレーで返してやるっ!」とのこと。

     医者のこの言葉も後押しをした。「成長期ですから。ブリッジでカッチリ固定をすれば、窮屈さは出てきます。義歯ならば、成長に併せて何度も作り直せます。また義歯→ブリッジには行けますが、ブリッジ→義歯は難しい。義歯にしてみてから、〝やっぱりブリッジに!〟でもいいと思いますよ」。

     というわけで。本日、歯の型取りが行われた。

     退院が見えてきた、丁度1カ月目の31日目が終わった。


     

     ※1カ月。今日で、このシリーズを止めよう!とも思いましたが…。退院もなんとなく見えてきた風なので。退院まで続けます。すいません。



    息子、交通事故に遭う。保険。30日目。 

     寝坊。コスモの散歩は1人で行った。


     息子は模擬テストを受けに行く途中で、事故に遭った。

     先週の金曜日、急に思い立った。何か模擬テスト業者さんが保険に入っていないのだろうか? 取りあえず、問い合わせるだけMAILで問い合わせてみた。なぜ、思い立ったか? というと…。実は、この業者さんの会社、息子が入院している病院の目の前に本社があるのだ。すごい偶然(笑)。

     テストを受けに出掛けたら、本社前の病院に担ぎ込まれてしまったわけだ(笑)。

     問い合わせには丁寧な電話で答えをいただいた。残念ながら、「会場内はあるのですが…。会場外は…」とのこと。それは、それで仕方がない。模試を受験するしないは、こちらの自由だ。帰りに遊んでいたら事故に…ということだって想像できる。そこまで面倒は見られないだろう。まぁ、あくまで「もしかしたら…」の思いだけからの問い合わせだ。

     ただ1つだけ、その際にお願いをした。「ぜひ、来年度の貴社テスト受験者に対し、交通には徹底した注意を呼びかけていただけますと幸いです。自己責任とはいえ、このような目に遭うのは、ウチの息子が最後になるのが、ささやかな私の願いです」。

     そうしたら。今日、業者さんの社長が自らお見舞いに来ていただいた。
     
     「本当にお見舞い申し上げます。今後、同じことが起きぬよう、交通に対する注意は必ず呼びかけさせていただきます。また、万が一の時に備え、掛け捨て保険の件も社内で検討をしてみます。」と社長は語ってくれた。

     ありがとうございます。
     ただ。保険を掛けたからと言って受験料を上げないでください。
     僕が皆さんに恨まれます(笑)。

     冗談はさておき。社長に素直に頭が下がる。
     ありがとうございました。

     同じことが2度と起きないことを。もう一度願った30日目だった。



    息子、交通事故に遭う。のりたま。29日目。 

     今日の風は…。寝かしたコーンが飛んだ(苦笑)。


     午前中に嫁と2人で病院へ。「ふりかけ、できれば『のりたま』が欲しい」というリクエストに応えて、近くのウェルシアで「のりたま」を購入。渡して、とっとと、2人揃って家に帰った。そして、僕は1・2年生の定期練習へ。嫁は14日に予定されている長女のブレイクダンス発表会のリハーサルへ。衣装のチェック等の作業を行うためだ。

     家族の生活はそれぞれ、動き続けている。
     
     夕方。息子の元にはクラスメートの女子数人がお見舞いに訪れてくれたという。なるほど。15歳だもの。彼には彼の生活があるのだなぁ…(苦笑)。その中に、〝彼女〟がいるのかどうか? までは聞くのはヤボと思い、やめておいた。

     もし。〝いた〟としても。まだ「のりたま」は頼めないだろう(笑)。

     ついでに自分用に「ごましお」を買った29日目だった。



    息子、交通事故に遭う。事情聴取。28日目。 

     風が強かった。練習には支障なしっ!


     「声が出るならば、事情聴取をしたい。お伺いしていいだろうか? また、未成年なので保護者が同席してほしい」とA市警察から連絡が来たよ、と前日、嫁から言われた。なので、時間を13時に設定し返事を返させた。なので、今日は1・2年生の練習を早めに切り上げ、病院に向かった。

     時間通りに、事情聴取という名の「調書取り」が始まったのだが…。
     途中でお帰りいただいた。

     事故に関して、息子は「覚えていない」。もうちょっと丁寧に書くと、「家を出て、途中のファミマで十六茶を買ったまでは、覚えています。その後のことは、全く覚えていないんです。気が付いたら、ベットの上。お父さんとお母さんと婆ちゃんが心配そうに覗いていたところから、再び記憶があります。だから、止まったか? 止まらなかったか? は〝本当〟に覚えていないんです」とのこと。つまり、〝2日目〟の11時まで彼的には全くの〝空白〟の時間だということだ。中学3年生らしい素直な回答だ(苦笑)。

     それに対して。警察は「じゃあ、止まったならば、事故が起きたと思いますか?」。

     「…(苦笑)。それ、答える必要があるんですか?」と僕は遮った。その後、その件で警察とやり取り。細かいことはあえて書かない。書いてどうなるものじゃない。結果、そのまま平行線。唯一、「日を改める」ことでだけ、お互いで合意した。

     僕は。息子側に落ち度がなかったと言う気はサラサラない。前も書いたが、どちらも〝被害者〟だ。ただ。「覚えていない」という本音を、そのまま調書に書こうとせずに組織の意図を書こうとする警察に納得できないだけだ。まぁ、くだらないことではあるのだろうけれど…。 

     警官も仕事なのだから…と自分を何とか納得させた28日目だった。



    息子、交通事故に遭う。トレーニング。27日目。 

     日が延びた。パーティに向かう途中、感じたこと。


     栄養指導に息子と嫁が呼ばれたとのこと。内容は? と聞くと「退院してからの話よ。簡単に言えば、義歯に慣れるまでは小さく切って食べてくださいということ。当然、食べ物制限等の話はなかったわ」。

     ササミだけ食って、トレーニングに励めっ! とは言ってくれなかったかぁ(笑)。

     「逆よ逆(苦笑)。ヤツが栄養士さんに、『食事の量、増えないっすか?』だって。栄養士さんが笑いながら『足りない?』って。交渉の結果、おもゆの〝おかわり〟が認められた(苦笑)」。

     運動せずに食えば太るだけだぞ?

     「階段を往復と敷地内ダッシュと体幹トレーニングは〝迷惑にならない〟を条件にお医者さんが認めてくれたらしい。だから、おなかがすくみたい(笑)」。

     どうやっても〝迷惑〟になると思うけど(笑)。

     敷地内リフティングは止めておけっ!と声を掛けた27日目が終わった。


    息子、交通事故に遭う。食事開始。26日目。 

     気温は低い。


     「今日、顎間固定が外れる」とは、嫁から聞いていた。

     会社帰りに病院に寄ると、息子はスッキリした顔になっていた。顔に引きつった感じがないのだ。「顎間固定を外しただけで、ずいぶん違うなぁ…」と言うと、「骨折手術の抜糸もした。さらに歯間固定も外してくれた」とのこと。医者が「治りが早いね。歯間固定も取っちゃおうっ!」と処置してくれたらしい。うれしいことだ。予定よりも早く、退院できるかもしれない。その上、彼はもっとうれしいことを医者から言われたらしい。

     「今日から、おかゆっ! おかずも出たんだよっ!」。

     おうっ! そうか。バリバリ食えっ! 食って、食って、早く治せっ! 家には「治ったら、息子クンに食べさせてあげてください」と新潟の少年団の方から、日本一ウマい、魚沼産コシヒカリも届いたぞ。サッカーで繋がった人たちが、オマエのことを応援してくれている。食って食って、早く治すこと。そして、治ったら、その少年団の子どもたちとサッカーを一緒に楽しもう。それが、オマエのできる恩返しだぞ~っ!

     立春。外は寒いが。気持ちには春が来た26日目だった。


     ※T市のTさん。お米、ありがとうございました。深く感謝です。


    息子、交通事故に遭う。読書。25日目。 

     夜、少量の雪が舞う中、娘2人と元気に「鬼は外~っ!」。


     「いい機会だ。本を読め」。

     読めと言っても、自分では本を買いに行けない状況に、息子はある。よってもって、こちらで用意をしてあげなくてはならない。一番最初は、「何がいい?」と聞いた。返ってきた答えは「海堂 尊」。そういえば、僕と行った模擬面接で、「最近、読んだ本は?」との問に「チームバチスタの栄光」と答えてきた。普段なら、「薄いよ、答えが」と一蹴するところだったが、彼の病院いるというシチュエーションを考えると、「いいんじゃない?(苦笑)」と言わざるを得なかった。

     まさか。そこまで考えての答えではないことはわかっていたが(笑)。

     2回目は、面倒なので聞かずに「このくらいは、読めるだろう」とテキトーに見繕って買って渡した。ただ、これが不評(苦笑)。テキトーではあるが、何でもいいというわけにもいかないのだ。退屈な入院生活だ。コムツカしいモノは避けた方がいいだろうし、かといって、フマジメなものであってもダメだし…。

     テキトーながらも〝適当〟でなければならない。
     これが難しい(苦笑)。
     
     先日、「青春小説あたりが15歳には無難だろう…」と思い、「走れ! T高バスケット部」という、そこそこ話題シリーズを3冊まとめて買っていったら、「1と2は、読んだ」と返された。ショックっ! 同じ3冊ならば誉田哲也の「武士道 シックスティーン」「武士道 セブンティーン」「武士道 エイティーン」にすればよかった…。どちらかというと僕はそっちが読みたかったし…と思ったが、聞かなかった以上、「先に言えよ…」とも言えなかった…。以降、「スポーツノンフィクション」になるべく的を絞って、渡している。これは、さすがに文句が来ない。濫読を推奨しておきながら、情けない話ではある。

     皆さん、中3に読ませるいい本があったら教えてください。

     一昨日、ノンフィクション以外のある本を渡した。「僕が中学生の頃、読んだ本ならば、いいのでは?」と思って買い与えた本だ。今日、病院に行くと違う本を読んでいたので、どうやら読み終わったらしい。「どうだった?」と聞くと「面白かった」との返答。題名は「セーラー服と機関銃」(笑)。

     喜んでもらえて「カ・イ・カ・ン…」の25日目だった(笑)。


    息子、交通事故に遭う。告知。24日目。 

    のち 寒かった。


     19時から某TV局主催の「某球団激励会」に出掛けた。いよいよ、プロサッカー界も2010年シーズンが始まろうとしている。僕の仕事も忙しくなってくる。

     時季は確実に春に向かって動いている。

     19時から、ということで、その前に息子のところに寄った。昨日の「いつ退院できるの?」に対する答えを明確に話さなければいけない。嫁とは「事実は事実として全て息子に伝えよう」とコンセンサスを取っている。

     「手術後1カ月と医者からは入院時に言われた。ただ、順調ならば、もう少し前倒しになるかもしれない。近いうちに顎間固定を外すことになるだろう。外したら、顎を動かすリハビリが始まる。渋くなっている関節を動かす練習だ。すぐに元に戻る。終われば、歯間固定を外す。前歯なしだが、噛む食事が始まる。慣れてきて、入れ歯を作って退院だろう」。

     いい機会だ。「歯の話」もした。

     「歯槽骨の前の部分が上下ともになくなった。なので、すぐのインプラントはできない。残念な話なのだが、歯槽骨は再生しない。インプラントには奥歯横の歯槽骨の移植か、腰の蝶骨の移植が必要となる。手術自体は超簡単だが、定着するのに3カ月かかる。移植自体は3年後だろうが、5年後だろうが、10年後だろうが、いつでもできる。逆にオマエが『すぐにやりたいっ!』というならば、それはそれでいい。いずれにしても、どちらにするか、慌てる必要もない。顎がくっついてからの話だ。歯で済んだ幸運に感謝しながら、よく考えて返事をしろ」。

     「入れ歯だよ。考える必要ない。所詮、暫く、入れ歯なんだし」。
     息子は続けた。「何より、すぐにサッカーをしたいから」。

     そうか。まぁ、慌てることもない。医者とよく話をオマエも含めて3者で話そう。何より、お前自身の話なのだから。そういえば、歯科技工会社を経営するKSCの選手のお父さんがこんなこと言ってたぞ。「息子の歯? どんな要望にも応えてやるっ! どうせなら、KSCカラーのものを作ってやろうか? 蛍光オレンジだろうがなんだろうができるよ。裏に文字を入れようか?  『不撓不屈』なんてどう?」。ど~せなら、〝楽しんじゃえっ!〟ということだな。

     「それこそ、考えておくよ(笑)」。

     明日は節分。復帰の球春に向かって。考え始めた24日目だった。



    息子、交通事故に遭う。自発呼吸。23日目。 

    のちのち 19時頃、雪になった。


     月が変わった。今日から2月1日だ。本日から、我が家は「なるべく通常生活に戻そう」モードに入った。僕はフルタイムで仕事。僕の母も実家に帰った。嫁はパートをまだ休んでいるが、昼に息子の所に出掛け、夕方からは娘2人のために家に居ることにした。息子の退院までは、家族みんなで頑張りたい。

     通常に戻るのだから、飲みにもいける…? いや、それはもうちょい先。2月末に予定していた3級審判試験挑戦も延期したほどだ。生活は通常モードに戻すが、息子を放っておくわけにはいかない。僕も会社の帰り等には病院に5分でも顔を出すつもりだ。だから、逆に忙しくなる、、時間的にはキツくなる。

     まっ、1カ月だ。何とかなるだろう。
     ところが。やはり、今日は病院に顔を出せなかった(苦笑)。
     まぁ、こんなものだろう(苦笑)。
     
     以下、嫁の話。「今日、スピークカヌーレも取った。完全に自発呼吸。本人は、もう治ったつもりらしく『いつ退院できるの?』と聞いてきた。『自分で看護士さんに聞けば?』といなしておいたわっ!(苦笑)」とのこと。まさに〝喉元過ぎれば…〟だなぁ(笑)。ん、それだけ順調だということだ。

     忙しさも心地よくなってきた23日目だった。