2009.07.13 Mon
1時限目「コクゴっ!」。

中3サッカー選手諸君っ! 君達は自分が受験生であることを忘れてはいけませんっ。今日から新シリーズ「全てはサッカーのために~サッカーで勉強しちゃおうっ!~」で学びましょうっ。最初は、君達が最も不得意とする国語の勉強っ。テーマは「故事成語」。「故事成語」って何だか知らない人~っ? あっ、いいのですよっ、知らなきゃ覚えれば済むだけのこと。中国の古典を起源として、昔から伝えられてきた教訓話や〝いわれ〟のことを「故事」と言います。その「故事」をもとにした漢字数文字からなる慣用句が「故事成語」です。いいですかぁ~?
(ビシッ! とチョークを投げながら)
そこっ! デカイ坊主アタマっ! ウルさいっ!
あっ、自己紹介が遅れました。私は国立サッカー勉強アカデミー国語科主任研究員、インチキ言語学者の「金田一コーチ彦」と申します。ドゾ、ヨロシク~っ。では。早速、授業に入りま~す。
まずは、旬な、この言葉から学んでいきましょう。「捲土重来」。そう、サムログに書いてありましたね。KSCの諸君は、今すぐ、覚えなければいけない最も重要な言葉です。監督に言われてチンプンカンプンじゃ困ります。これはケンドチョウライ、もしくはケンドジュウライと読みます。知っているって? 「一度敗れた者が、再び勢力を盛り返し、巻き返しを図ること」?
ブッブ~っ! 不正解っ。それでは×です。
捲土とは「土煙をあげるほどの激しい勢い」という意味です。ですから、「再び勢力を盛り返し」では、ピアニシモ、弱すぎます。もっと、フォルテシモ、す・ご・く・強くです。正解は「一度敗れた者が、土煙をあげるほどに凄まじい意気込み=燃える闘魂を持って再び必死に攻め返すこと」となります。中国=唐の詩人・杜牧が、漢の武帝(劉邦)と覇権を争った楚王・項羽の自害を悼んだ詩「烏江亭に題するの詩」に、「勝敗は兵家期すべからず、羞を包み恥を忍ぶ是男児、江東の子弟才俊多し、捲土重来未だ知るべからず」と詠んだことが由来です。この由来は大学・文学部レベルですから覚えなくていいです。
使い方は「捲土重来を期す」となります。「期す」、ここ、大事ですよ~っ!
捲土重来、覚えましたか~っ?
次です。次は2つワンセットで覚えてください。「会稽の恥」(カイケイノハジ)と「臥薪嘗胆」(ガシンショウタン)です。
中国の春秋時代(紀元前770年~同403年頃)の後期に「呉」という国と「越」という国がありました。たいへんなライバルで、いつも戦争してました。で、まず、呉王・闔閭(こうりょ)と越王・勾践(こうせん)が戦い、勾践が勝って、闔閭は死んでしまいます。闔閭の後を子供の夫差(ふさ)が継ぎ、次の呉王となります。呉王・夫差は「父の仇」を忘れないために、毎日、固い尖った木の薪(まき)の上に臥して寝ます。「この痛みを忘れてはいけない」と復讐の念に燃えるわけです。
これが「臥薪」に当たります。
そして、今度は夫差が勾践に勝ちます。勾践は会稽山という山に逃げますが、ここで捕まり、「夫差の馬小屋の番人になる」という屈辱的な条件を受け入れて和睦します。これが「会稽の恥」。転じて、「敗戦の恥辱や他人から受けた堪え難いほどの辱め」のことを意味するようになりました。実は、同じような言葉がヨーロッパにもあります。「カノッサの屈辱」です。まぁ、詳しくは今度、社会・世界史の時間に。
「会稽の恥」、分かりました?
使い方は「会稽の恥を雪(すす)ぐ」になります。覚えてくださいね。
まだ、「嘗胆」が残っていますね。「会稽の恥」を忘れるなっ! と、今度は越王・勾践が頑張ります。その「会稽の恥」の悔しさを忘れないために、20年間、毎日毎日、干した苦い胆(きも)を嘗(な)め続けるという考えられないような努力をしたのです。
これが「嘗胆」です。
呉王・夫差の「臥薪」と越王・勾践の「嘗胆」を合わせて「臥薪嘗胆」。転じて、「目的を達成するためにキツい苦労を自ら課し、それにジッと耐えて努力を続けること」という意味を持つ言葉となりました。中国人、怖い? 冗談じゃありません。日本人の方が上です。日本は国を挙げて、「臥薪嘗胆」と言い続けたことがあります。ロシアがドイツ、フランスと手を組み1895年「三国干渉」を行った時です。そして日露戦争へ。そこであり得ないことが起きます。日本が〝まさか〟勝ってしまったのです。日本代表がスペイン代表に勝つみたいなものです。この勝利で日本は「三国干渉」という名の「会稽の恥」を「臥薪嘗胆」、雪いだことになります。
「臥薪嘗胆」、覚えてください。
サッカーの場合、本当は、この言葉を使うのは如何なものか? と僕は考えます。例え、今は違うライバルチームにいても、将来、同じチームになる可能性もあるし、本来、プレーヤーは、何より「サッカーを愛する仲間」ですからね。「切磋琢磨」くらいの言葉が丁度いいと思います。が、まぁ、もう中3です。使ってもいい言葉だとは感じます、「臥薪嘗胆」。ちなみに相手チームとトレセンなどで一緒になって一時的に同じ仲間となることは「呉越同舟」(ゴエツドウシュウ)と言います。これは、呉と越が敵対していたことを例にとって孫子が兵法の1つとしてを語ったのが語源です。
それでは。レッツ・トライっ! 学んだ3つの「故事成語」を実際に使って作文をしてみましょう。はいっ! そこっ! さっきから寝てるデカイ坊主アタマっ! 作文してみてくださいっ!
「7月に行われたクラ選・関東大会。僕らは全国への切符が懸かった試合で緑チームに負けた。そして敗者復活の9位決定トーナメント1回戦でも赤チームに負けてしまった。これで『夏のJヴィレッジ』adidas CUP全国大会への道は絶たれてしまったわけだ。
がっ! 『このままで終われるかっ!』が僕らの今の気持ち。まだ冬の霞ケ丘(国立競技場)がある。僕らは東京での敗戦と群馬での敗戦を会稽の恥として、捲土重来を期している。明日から、厳しい練習を積み続ける。高円で、全国切符を手にし、決勝で国立の芝を踏むこと。真の意味で、会稽の恥を雪ぐ、その日が来るまで。臥薪嘗胆、戦い抜くしかない」。
よくできました。そのくらいサッカーも上手だといいのですが(苦笑)。
みんな、ここ、要チェック。入試に出ること〝ある〟と思います。
いいですかぁ? 燃える闘魂を持たなければ「捲土重来」ではありません。悔しさを忘れないっ! と思い続ける屈辱として位置づけないと「会稽の恥」ではありません。そして、自分達自身が自分達を追い込む努力なくして真の「臥薪嘗胆」とは呼びません。
ここポイントですっ! くれぐれも間違えないようにっ!
あっ! あと、忘れないでください。「捲土重来」「会稽の恥」「臥薪嘗胆」を始めているチームは多数あります。自分達だけが頑張っているのではないのです。どのチームも、そして個人も。他に負けない血の滲むような努力をすること。そのことだけが分け隔てなく君達全員の未来を開くのです。
次回は社会・公民の予定です。
今日、解散総選挙が決まったのを知ってますか?(笑)。
- [2009/07/13 23:58]
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2009.07.07 Tue
急がば回れ。

我が社の商品がなかなか売れない時代だ。今日の他部署・同期との定例ブレストも当然、その話題になる。ちなみに。彼の息子も東京・大田区のフツーの少年団でサッカーをやっている。で、彼もその少年団のお父さんコーチだ。
同期:「なんで売れないんだろう?」 僕:「ツマラないからに決まってんじゃん、そんなの」 同期:「朝日、読売、日経はオモしろいよなぁ…。特にスポーツ面のコラム。世情を掴んで書いているものが多い。みんなが抱えている問題をキチンと整理してくれる。『ニュース!』に縛られていないんだよ。本当は、ああいうのをウチ辺りが毎日、載せなくちゃイケないと思うんだよなぁ…」。
僕:「オマエ。今日の日経のコラム読んだだろう?」(笑)
同期:「バレた?」(笑)
以下、7月7日付、日本経済新聞本紙スポーツ面コラム「スポートピア」より全文抜粋。
水沼貴史(サッカー解説者)「道違えど物言う信念」
『今を生きるサッカー少年は大変だなあと思うことがある。私のころはサッカーは少年団で始め、中学、高校は部活で打ち込むのが王道だった。高校と大学をどこにするかで悩みはしたが、学力や目指すものと相談すれぱ、おのずと答えは出た。
今は大ざっぱに分けても学校の部活、民間クラブ、Jクラブの下部組織と3つの育成ルートがある。日本協会直轄のアカデミーを入れれば4つ。そして高校のサッカー部がジュニアユース(中学生)のクラブを立ち上げて一貫指導を図るなど、高校とクラブのいいとこ取りを狙った育成のハイブリッド化みたいな現象も起きている。
そうやってルートが多様化、複線化すること自体はいいことだろう。部活の厳しい上下関係に耐えかねた選手がクラブで生き返ったり、逆にクラブの厳しい競争から振り落とされた選手が高校サッカーでよみがえったりするからだ。ただ、人によっては小、中、高それぞれで自分に合った居場所を探さなければならず、どこかを選ぶたびに「隣の芝生は青く見える」ワナに落ちかねない。
子供に聞違いのない環境を与えたいという親心は分かるが、母校法大でコーチをしている経験を踏まえると、ある程度の年齢になったら選択に子供の意志を反映させることが大切だ。自分で居場所を決めてきた選手はおしなべて意識が高いからである。私の要求に対して、「無理」と簡単に弱音を吐かない。できると思うから求めている、無理かどうか決めるのは指導する側、という根本を理解してくれるのも、そういう選手たちだ。
逆に「何となく大学に来た」という選手はあきらめが早い。修正能力も低い。自分の物差しを妙に過信し「ぶれない」という言葉が好きだったりする。ぶれない自分をつくるために幹を太くするには周囲の助言に耳を傾けることが大事だが、耳をふさぐことがぶれないことだと勘違いしていたりする。
Jリーグができて20年もたっておらず、育成に関してはまだまだ試行錯誤の段階なのだろう。もともと育成には謎の部分が多い。「これは」と思った〝玉〟は思ったほど伸びず、「難しいかな」と思った〝石〟がプロとして大成する例はいくらでもある。無責任な言い方をすれば、だから育成は面白いともいえる。
現在の日本代表も、プロ育成に秀でているはずのJクラブのユース出身者より、高校サッカー部出身者が圧倒的に多い。中村俊(エスパニョール)、遠藤(G大阪)、中澤(横浜M)、主カはみんなそうだ。彼らの歩みを見ているとサッカーは回り道ができる競技だとつくづく思う。登山と一緒で頂上までのルートはいくつもある。大事なのは「どの道が正しいか」ではなく、どの道をたどろうと頂上に立ってみせるという信念なのだろう。』
同期:「水沼って、埼玉だよね?」僕:「そう。バリバリの浦和っ子。確か本太(もとぶと)。自分で王道って書いていたけど。王道中の王道だよね。小・中で全国制覇、高校は松本暁司が率いる浦和南で全国制覇。相手はシズガクだったはず。すげぇ試合だった記憶がある」 同期:「って、言いながら水沼の息子(宏太)ってマリノス下部上がりだよね?」 僕:「そうだよ。まぁ、水沼の息子だから。他の選択肢はなかっただろうなぁ。でも、確か、小学生の時はマリノスではなく、あざみ野だった気がする」 同期:「横浜育ち、マリノス育ちか…」
同期:「って! おいっ! 回り道してねぇじゃん!」(笑)
僕:「だから。後悔して、あのコラム書いたんじゃねぇか?」(苦笑)
高校=回り道という感覚のズレは置いておく(まさか、「バイパス=迂回道路の方が早い」という意味までは含んでいないだろう)。天下の水沼でさえ、惑いを今更、感じているのだ。僕らが惑ったって不思議じゃない。まぁ、惑うレベルが全然、違うけど(苦笑)。金言は最後の一文と。中でも最後の一節だ。『大事なのは「どの道が正しいか」ではなく、どの道をたどろうと頂上に立ってみせるという信念なのだろう』。これは水沼貴史の本心であり、間違いのない真実と信じよう。
僕:「まっ! お互い、子どもの人生だ。子どもが決めるのを黙して待とうっ!」。
同期:「カネ、掛かるんだろうなぁ、これから。新聞を売らねぇとなぁ…どう売る?」。
やっと本題。いい仕事にも回り道が必要だ(笑)。
- [2009/07/07 19:30]
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2009.07.06 Mon
畏怖。


昨日、嫁はFグラウンドには来なかった。リビングスタイリストとかなんとかの横文字資格試験受験のためだ。家に帰って、僕と息子リュウで嫁に負け試合の内容を話す。
あ~だった、こ~だった、う~だった、へ~だった…。
「あ~っ! うるさいっ! アナタ達、本当に付いてんのっ!? それでもオトコ? 1-6なんてスコアだってこと〝完敗〟以外の何モノでもないでしょうがっ! ったく。終わったことをグチグチと。みっともないったら、ありゃしないっ! 次っ! があるのだから。それに向けて前向きに考えなさいよっ!」。
仰る通り。グゥの音も出ない。
父子2人揃って。謙虚に反省だ。
ヴェルディのどこが良かったか? と考えた。何より、ヴェルディは謙虚だった。「何があっても今日、勝って全国へっ!」の気持ちと1月のメトロでの敗戦(4-1でKSCの勝ち)がそうさせたのだろう。Jのプライドを捨て、いや、Jのプライドゆえに。格下のKSCの力を謙虚に100%認めて戦いを挑んできた。
攻守に亘る隙間ない謙虚さが実行された。
元々、技術は圧倒的にヴェルディに軍配が上がる。止める・蹴るは完璧だ。その上で、謙虚に来られると、これはツラい(苦笑)。結果、1-6というスコアになったわけだ。僕も見ている最中は「そこまで謙虚にやるか?」と思ったが。現実としてヴェルディが圧勝して全国切符を手に入れた。それが勝負だ。その意味でヴェルディの気迫ある謙虚さは本物だった。
逆に聞く。息子よ、お前は謙虚だったか?
驕りがなかったと言えるか? 明らかに傲慢だったのではないだろうか? きっと、「いい勝負になる」という思いがお前の中にあったに違いない。気持ちは「いつも通りに」であったとしても。相手を格上として畏れ、そのことを謙虚に受け止めての「食ってやるっ!」「勝ってやるっ!」という気概を試合で示していただろうか?
残念ながら。〝らしい〟気迫は感じられなかった。
その証拠に。「やらなければならないこと」が全くデキていなかった。Jよりも技術が現時点で明らかに劣るオマエがやらなければならないことは、何だったのか? 考えてほしい。最後まで折れずに声を出し続けていたか? 倒れるまで走ったか? 何が何でも止めてやるというプレーを最後まで続けたかっ?
謙虚さに欠けた。こんなはずでは…と思い続けた。
それが本当の敗因だ。
ヴェルディの姿勢を見習え。勝つためには勝つためのプレーが存在する。その現実から目を離してはいけない。地道に〝黙々とならずに〟闘うこと。それがお前の存在意義。決して忘れてはいけないこと。
それが謙虚の実体だ。
耐えに耐え抜いた者が勝利者になる。そのことをイーグルスがレイソル相手に証明して見せた。そうやって、クリアージュはお前の目の前でF東むさしを倒して全国切符を手にしたではないか? 何点取られてもあきらめずに食いつくこと。心折れることなく、進軍ラッパを吹きながら、全員が先頭に立って闘い続けること。それが、唯一の第9代表への道だ。
謙虚に。相手の力を畏れてプレーをしよう。負けないために。今やれることだけを愚直に真剣にやろう。今すぐ、技術は上がらない。が、今すぐ人より走ることはできる。もっと簡単に、今すぐ、人より大きな声を出すことはできる。1週間でできることは。「すぐにできること」だけを懸命にやれる謙虚さの訓練だけだ。
欲張らず。今すぐできることだけを。しっかりやろう。
忘れるな。赤Jクラブもかなり謙虚に来る。フロンターレにまさかの敗戦。2月には、お前らにも負けている。悔い改めた赤Jは頭(こうべ)を垂れながら、鋭く牙を剥いてくるはずだ。ヴェルディ並に謙虚に闘いを挑んでくる恐ろしさを忘れてはいけない。
自分達が一番弱い。だからこそ闘うしかない。
怖れるのではなく、畏れよう。
その意識が勝利を呼ぶ。
そういえば。嫁は昨日、テストがデキたのだろうか? 全く以って、聞かなかった。今、改めて思い出して見れば。あの機嫌の悪さは、かなり怪しい。聞けば、きっと謙虚に答えなかったに違いない。そうか、なるほど。あの僕らへの怒りは、謙虚になれない自分への裏返しか。
帰って嫁に言おう。「お前、付いてんのか?」と(笑)。
- [2009/07/06 23:55]
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2009.07.01 Wed
牛若丸三郎太。


漫画はダメだと言っておきながら。今日は漫画のセリフから始まる。ちなみに。僕は今でも「少年サンデー」「少年マガジン」を愛するマンガオタクでもある。
「試合を控えている者ども、よく聞け。キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ。じゃが、逆もまた然り! 毎日の積み重ねがキサマらを弱くする! 漫然と日々を過ごすなっ! 四六時中ボクサーであることを自覚しろっ! 自分に足りないモノ、必要なモノを常に考えて行動せよ!! 」。
4週くらい前の『はじめの一歩』・鴨川ジム会長のお言葉だ(笑)。
24時間ボクサーであれっ! ということか…。
「オレは15年後に遊ぶ」(詳しくは⇒ココ)でも書いたが。十分条件としての「24時間サッカーな者」が一流選手となっているのは間違いない。例えば原口元気。県NO1チーム・M先生はHPにこう書いている。「24時間がサッカーの元気はまだまだ成長するだろう」。例えば山田直輝。レッズの発行する「リトルダイヤモンズ」TOP昇格記念号の中で同期・永田拓也がナオキのことをこう語っている。「本当にサッカーっ子です。大好きですね、サッカーが。サッカーを一番に考えてます」。
自然体の24時間サッカー選手。モノが違うわけだ。
さて。フツーの中学生に目を向ける。いいサンプルがウチにいる。いくら何でも、凡才に「24時間サッカー選手」を求めるのは酷だ。プロになれそうな自分がいるわけじゃない、有名高校から「ぜひウチにっ!」と声が掛かるわけでもない。サッカーは好きだけれども、今の自分の力では…。なんとなく、そんなことが見えてくる。しかも現実として、目の前に「受験」の2文字がチラツき始める時季だ。周りの成績もガンガン上がり出す。「オレ、大丈夫かな…」。そんな不安が湧き出て来るのは、とてもフツーのことだ。
聞いたわけではないが。今日の息子の気持ちを代弁しよう。
勉強しなくちゃ。明日から期末テストだ。国語、数学、英語に理科、社会、技術家庭科、保健体育に音楽。3年時の成績は大切だって、皆に言われている。でも。今週末は、関東大会2回戦、勝ったら全国の掛かった試合になるから、KSCの練習も絶対に休めない。けど、マガジンも読みたいし、サンデーも読みたい…。行きの電車で読もうか…。帰って来たら22時か。そこからテスト勉強、始めて…。息抜きくらいは、いいよな? サッカーマンガも読みたいし、女の子にMAILも打ちたいし。そうだ早起きもしなきゃ。学代だから朝15分、早く出て、「あいさつ運動」をシッカリやる責任がある…。
24時間中学生(笑)。それでイッパイ・イッパイだ。
では、提案。息子だけなく。全てのサッカー少年への提案だ。24時間フツーの中学生であるがゆえに24時間サッカープレーヤーになれないのだとすれば。24時間サッカーにしたいけど。凡才ゆえにその前にやらなければいけないことが見えてしまうのだとすれば。こんな考え方はどうだろう? 何かをやろうとする時に。最初に必ずこう考えてみたらどうだろう?
「全ては『好きなサッカーのために』と考える」。
・朝、起きて。大きな声で「おはようっ!」⇒全ては『好きなサッカーのために』。声を出す練習だ。
・学校の給食で大キライなマヨネーズが出る⇒全ては『好きなサッカーのために』。好き嫌いを言ってはいけない。
・授業を集中して聞かねばならない⇒全ては『好きなサッカーのために』。後で勉強し直すとサッカーのための時間が減る。それは避けたい。
・不器用なので技術家庭科が苦手だ⇒全ては『好きなサッカーのために』。集中力を養う訓練として実技に没頭する。
・音楽なんてどうでもいい⇒全ては『好きなサッカーのために』。リズム感はサッカーに大切だ。
・国語キライ⇒全ては『好きなサッカーのために』。ロジカルコミュニケーション力を鍛えるため。論理的思考の第1歩として勉強する。
・数学、考えること自体カッタリィ⇒立体的に空間を把握して相手より先に触る考えを鍛えるために数学の問題を楽しんで見る。
・英語なんてできなくても日本では困らない⇒全ては『好きなサッカーのために』。通訳なしでテレビのインタビューに答えたらカッコイイぜぇ~。
・電車の中でマンガを読む⇒全ては『好きなサッカーのために』。選手がダメなら別の携わり方もある。そのために知識を蓄積するため、どうせなら本を読もう。
・テスト勉強ツライ⇒全ては『好きなサッカーのために』。行きたいあの学校でサッカーをやるためだ。あと30分、頑張ろう。
・ちょっと休んでマンガを読もう⇒全ては『好きなサッカーのために』。あの子が応援に来てくれたら、試合頑張れそうだ。マンガを止めてMAILだけにしておこう。
・寝る前にチョイ、マンガ・MAILくらいはいいだろう⇒全ては『好きなサッカーのために』。今週末は試合だ。早く寝よう。
そして。クラブーユース組に1つ加えようか。
・テスト前だけ勉強すれば十分だろ?⇒全ては『好きなサッカーのために』。高円宮杯全国大会まで行ったら12月。今から勉強しなくて、どうやってあの高校でサッカーするのだっ?
『はじめの一歩』・鴨川会長の言葉には、実は続きがある。
「これからの戦いは、そうでなければ勝ち抜けんっ!」。
全ては『好きなサッカーのために』。勝ち抜きたいならやってみよう。
- [2009/07/01 23:58]
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