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    指導者Mの献身。 

     菅平は冬。寒くて、寒くて…。


     車を運転していて、音楽がないというのはとても寂しい。とはいっても、今、走らせているのは出張のため借りたレンタカーだ。お気に入りのCD・MDは積んでいない。仕方ない、FMでも聞くか…。ポチッとスイッチを押すと、主婦・雅子と名乗る〝男〟の声が聞こえてきた。内容を聞いていると、これが、

     じ・つ・に。おもしろ~い!

     声の主は福山雅治。最近、テレビで某映画のCMばかり見せられているので僕の頭の中では「≠ミュージシャン」ではなく、「=帝都大学理工学部 准教授・湯川学」というイメージしかない(あとで調べたら、番組名は「福山雅治のSUZUKI TALKING F.M.」。僕が聞いたのは、その中のワンコーナー「主婦雅子のTALKING F.M.」らしい。詳しくは⇒ココをどうぞ)。たまには、FMもいい。山道の運転も楽しいし。なんか気分が乗ってきたぞ~。この気分を物理学的に実証できないだろうか? 知らないうちに自分が湯川准教授に思えてきた。頭の中の自分の言葉が全て湯川の声になる。

     じ・つ・に。おもしろ~い!

     今日の一日の自分を論理的に振り返る。そもそも。本来、この出張、僕が来るはずではなかった。が、担当者が急遽の葬儀に呼ばれた。一番、話が分かっている人物ということで僕に白羽の矢が立った。金曜の夜、慌てて新幹線の切符を取って。長野・上田からのレンタカーを手配して。菅平に行ってきた。まさか、僕が行くことになるとは思わなかった。がっ、偶然とは言わない。会社の人事が原因だ。理由のない現象はない。

     じ・つ・に。おもしろ~い!

     思考は先ほどまで仕事としてみた少年サッカーのことに及んできた。最近の小学生はウマい。中学生もウマい。ボールが来たら、キレイにさばく。行けると踏んだら見事なドリブルをする。無理をせず、バックに戻してサイドを替える。全員が芝に負けない力強いインサイドキックも蹴れる。相手を崩すパスワークだって随所に見られる。だけれども。そんな時、僕はいつも思う。

     ウマいのは分かったよ。んで? だから、なんなんだ?

     技術、技術と大人が教える。だから、当然ウマくなる。ウマいけれども。基本が間違っている。逆サイフリーでも「どうせ来ないよ…」とムダな声を出さないサイドハーフ。来たボールを扱うのはウマいが「バックが止めるさ…」と相手ボールを奪うために前で当たれないボランチ。「ゴールを守ればいいんだろう?」とズルズル下がってばかりでシュートを打たせてしまうバック。「来たシュートをとめればいいんだろう?」とゴールに張り付くキーパー。「次、決めりゃいいさ」と適当なシュートを蹴るフォワード。こんなチームがケッコウ世の中では賞賛される。

      じ・つ・に。バカバカし~い!

     論理的に考えれば分かる。スポーツの本質は何か? ボールゲームの、とりわけフットボールの原点は何か? ムダだろうが何だろうが、点を取るために・相手に点を取らせないために声を出す。次の試合があるから…などと考えずに「今の試合のためだけに」走り倒す。アンドレ・ザ・ジャイアントがボールを奪いに来ても絶対にボールを奪われない。もし奪われたら、相手がスタン・ハンセンであってもブルー・ザ・ブロディであっても果敢に奪い返しに行く。

     感情モロ出しの〝タマの奪り合い〟がフットボールの原点だ。

     その上で。フットボールから分化したサッカーを形作る必要性のあるものが生まれてくる。それが〝技術〟〝フィジカル〟〝ルール〟だ。あくまで「情熱に支えられた〝タマの取り合い〟という名の素地」を補うものでしかない。声では間に合わないから「アイコンタクト」がある。カラダの小さい者がアンドレにボールを奪われないためにパスがあって、フェイントがある。それだけではブロディからボールを奪えないからフィジカルも必要で。それでも一人ではなかなか勝てないからサポートが必要になる。個人が走り倒してもチームが困らないように「交代要員」がルールで決められている。

     う~ん。じ・つ・に。おもしろ~い!

     つまり、だ。カラダの大きい小さいは、多少は影響するけれども実はそれほど重要ではなくて。一番大事なフットボーラーとしての素地は「闘う気持ち」ということになる。その上でフットボーラーから枝分かれしたサッカープレーヤーとしての技術を身に付け、瞬時にその「気持ちと技術の二刀流」をアイディア豊かに使い分け、最上の策を推し進められる選手がサッカーの「GOOD PLAYER」なのだ。このように、ものごとは全て論理的に説明できる。

     じ・つ・に。おもしろ~い!

     ただし。論理は実証されて始めて事実と認められる。今日の菅平では、「サッカーというのは、こうあるべき」と見事に実証したチームが3チームも存在した。我がチームの練習を休んで、仕事として菅平まで来た甲斐があった。実は、最近、ちょっと今の少年サッカーに疑問を感じ始めていた。しかし、その疑問に対する答えが、なんと、突然の出張で得ることができた。これも必然か。

     じ・つ・に。おもしろ~い!

     レンタカーを返して、新幹線ホームに立っても准教授モードは終わらない。白衣を身に纏い、世の全てを物理学的に推測し、実証を続けようと努力を続ける。そうだ! 新幹線の中で飲まなければいけない。折角、車ではなく新幹線で来たのだから。飲まないことは、論理的思考に違反する。キオスクで件(くだん)の飲み物を買い、「あさま」に乗り込む。が。紅葉シーズンの夕方の長野新幹線はメチャメチャ混んでいた。飲むどころではない。都心のラッシュと何も変わらない。結局、我が県の駅についてからヌルいモノを飲むことになった。まあ、ヌルいモノがいかにマズいか?  を立証できたから、それはそれでいいのだが。そう、サッカーと同じで。世の中、なかなかウマくは、いかない。
     
     だ・か・ら、こそ。 生きること、すべてが、じ・つ・に。おもしろ~い!(苦笑)



    後悔、先に立たず。 

     この天気を秋晴れといわずに何という。


     KSC U-14が彼(か)のグランセナに呼ばれて新潟遠征に行くという。さらに。そこには、なっ・なんと、この年代のプレミアチャンピオン・静岡学園中も来るという。ん~、これは見たい。息子たちには申し訳ないが、〝KSCの試合を〟ではなく、シズガクの試合ならばなんでもいい、見たい。行けば、この間、みられなかったグランセナのサッカーも見られるわけだし。ん~。これは行かにゃなるまいっ!

     というわけで。またまた新潟に行って来た。

     試合の結果は…。2日間で10~12試合ぐらいやって、9~11勝くらい1敗。注目のシズガク戦は1-0で勝ち。ただし、相手は5人ほど高円宮杯で上の学年に上がっていて今回は来ていないとのこと。まっ、全ての試合で勝敗はどうでもいいだろう。勝つ時もあれば、負ける時もある。勝負は時の運。

     それにしても。ここに来ている全チームの子ども達は幸せだ。

     KSCを例に取る。午前9時に到着。着いたら、すぐにアップして試合。フレンドリーも含めて試合、試合。昼食をはさんで、また試合、試合。夕方18時過ぎて、暗くなれば自動的に照明が点る。そして、また試合。終われば、近くの旅館に移動して食事。風呂に入って、ミーティングをして就寝。そして、2日目は6時に朝食、7時にはグラウンドに入り、アップして8時から試合。また試合、試合。昼食を摂って、また試合、試合。予定の日程が終わっても、まだ時間がある! と、またアルビと試合。

     最高の施設で、朝から晩までサッカー三昧。うらやましい(笑)。

     KSCだけではない。全国津々浦々のクラブチーム、部活でサッカーをしている全員に対して言えることだ。中2の彼らは気がついていないだろうけれど。サッカー三昧なんてことは、今しかできないことだ。長くても高校3年生までの間だけ許されること。それを過ぎれば、プロに、しかもTOPプロにならない限り、許されない。大人になれば、シチ面倒くさいことを一切考えずに「朝から晩までサッカー三昧~」なんて絶対にデキない…。

     とっても悲しいことなのだけれどね。それが大人になるということ。

     だから。今は必死になってやってほしい、サッカーを。「俺たちにだってあるよ。他にもやらなきゃいけないこと。勉強でしょ、恋愛でしょ、遊びでしょ…」。うん、その通り。中学の時の恋愛は中学の時にしかできないことも事実だけれども。サッカーを大好きなオジさんは、思うのですよ。その余力をサッカーに注ぎ込めば、その先、必ずいいことが待っていそうな気がするって。

     いいことが、いったい何なのか? 
     それは、人それぞれ、とは思うけれど。

     世界には、やりたいサッカーをできずにいる少年たちもたくさんいる。だから、キミたちは幸せなんだよ! とは言わないけれど。その環境を活かさずにテキトーに流すことは、とてももったいないことだと〝僕は〟思う。

     とかなんとかいいながら。今回の僕の行動を検証してみる。今回は指導者ではなく「親」としての新潟入りだから。完全プライベートっ! 遊びっ!(笑)。子どものサッカーを見て。夜は新潟でもトップランクと言われる「港壽司」でメシを食って、美味しく飲んで。飲み足りない~となれば、柔らかいレバーが人気の焼き鳥屋に行く。ホテルは1泊5000円のビジネスだが、なんと温泉大浴場付き。う~ん、極楽、極楽。帰りたくない~っ(笑)。

     うん。大人は大人で悪くないか…(笑)。